MISSING TWINs (ページ27)

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ⅩⅩⅥ ページ27

無事にクランクアップしたドラマの放送が始まると、反響は様々で、私のイメージダウンを懸念する声も上がった。
そりゃ、普通は中学生にやらせる物ではないし、内容もかなりディープだ。
前の人生も合わせたら４０近いのだから、精神年齢的には何の問題もない。
されど、それを知る者は居ない。

『あの時…アイツらの話をちゃんと聞けてたなら…』

ディスプレイの中に下唇を噛んだ情けない男が映る。
ボロボロと涙を流し、その顔はアイドルとは呼べないほど酷い。
傷ついて、何もない空っぽの部屋にたった一本のギターと１枚の写真。
頼りなく小さな嗚咽と、頼りない背中が小さく見える映像が次第に黒に染まっていく。
そして私の曲の余韻と共にドラマは終了となる。

「観てるとは言ってたけど…どこまで伝わるかな…」

通り過ぎて、振り返ってしか削ぎ落とした物の大切さなんて分からない。
削ぎ落とす前に１度立ち止まらなきゃ、本当に大事なものは見えてこない。
願わくば、私の意味を掬い上げてくれますように。
両の手を組んで、僅かに瞬く星空に願いを捧げた。

もし、結末は変わらなくても、それでも少しでも良い終り方になれば聖くんの未来はきっと聖くんに優しくなる。
それを願い、柔らかな布団へと身を沈めた。