�将将� ページ22
それはいつもの少クラの撮影の後だった。
次の撮影で披露する予定の曲の打ち合わせをスタッフさんとしていたら、少しだけ…のつもりがとんでもなく時間が過ぎていた。
小山くんの楽屋は空っぽで、ちゃんとご挨拶出来なかったと落ち込みながら中丸くんの楽屋に向かう。
たぶん中丸くんも帰ってるだろうなぁとアタリをつけてノックしたのだが、漏れ出ている光があるのに返答は無い。
「失礼しまーす」
「…」
「中丸くん？」
渋い顔をした中丸くんが、私の声に気づかない程に何かを考え込んでいる。
と言っても、この頃のグループの悩みはきっと１つしか無いだろうなと思う。
「あ、聖くん」
「っ！？って芹？」
「やっぱり聖くんの事ですかー」
「なっ、違うから！」
「弟の方から相談受けましたから」
受けてないけど。
けれど中丸くんは合点がいったらしく、私のその嘘を簡単に信じてくれた。
「中々な…上手く説得できなくてさ。俺が言うと説教臭くなるのか聖は反抗的になるし、上田に言わせても上田自身があの通り自由にやってるし、田口はどう言ったら聖が考え直してくれるかってまだ悩んでるし、カメはもう知らねぇ！って怒ってるし、赤西に頼んでも聖からしたらお前も勝手じゃんって話だよなーって考えたらさ、もうドツボにはまってるわー」
ははっ、眉根を寄せた空元気の笑みに返したのは、きっと同じような笑みだと思う。
聖くんはどうして、あんな事したのだろう。
「聖くんが何でああしてるのか分かりますか？」
「分かってたら苦労ねーよ。俺に出来る事あるんなら助けてやりたいと思うのがメンバーだろ？」
「ですよねー」
さて、どうしたものか。
答えは出ないまま、中丸くんとバイバイをした。
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佐藤龍我のぶりぶりざ○もん
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作者名：Fin. | 作成日時：2019年3月28日 1時
