MISSING TWINs (ページ19)

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ⅩⅧ ページ19

レトロでオシャレな喫茶店。
そこに呼び出された私は、目の前に座るその人の言葉にただ涙を堪えるしか無かった。

「メンバーに話も聞いてもらえたし、仕方ねぇなって笑って背中押してもらえた。聖に少しだけ怒られたけどさ、最終的には皆に「行ってらっしゃい」って言ってもらえた。話し合って、納得した上だ」

ソーサーからカップを持ち上げ、優しく微笑みながら赤西くんは私に告げた。
一口、温くなったコーヒーを喉に通して、俯く私の髪を柔く撫でる。

「芹の様子おかしかったから、どうしてもあの時の科白が離れなくてさ。だからアイツらに相談出来た。１番初めの留学の時も、１回は全員に怒られたけど、結局俺のしたい事させてくれてさ、感謝しかないわ。…ありがとな」

「うん」

本当は６人のまま、楽しく笑って踊っていて欲しかった。
Jr.の中には貴方達に憧れてる子も居る。
赤西くんみたいになりたいって。

「赤西くん」

「おう」

「頑張ってください。キツいことがあったら、僕にでもメンバーにでも相談してください。愚痴も聞きます。僕、KAT-TUNの皆さんお兄ちゃんだと思っているから」

「兄貴にはカッコつけさせろよ」

「ダメです。頑固なクセにちょっとしたことで落ち込んで苛ついてって言うのが赤西くんなんで」

「…そうだな。さすが芹。お見通しだな」

「当然です。１人１人、まっすぐ見ています。Jr.も、デビューしている方達も、皆僕の兄弟ですから！」

「そか」

置いたばかりのカップを再び傾けた赤西くんは、その言葉を最後に黙りこんでしまった。
話しかけていいものかと悩みながら、店内のあちこちに視線を泳がせた。

「芹」

「はいっ！」

「くくく…あのさ、聖のこと頼んでいいか？年下にこんな事頼むのもあれなんだけどさ…」

「そうですね…今のまんまじゃいつか解雇…なんて事にもなりかねませんよね…」

「本当に芹の情報網どうなってんだよ」

「フフフ、企業秘密です♪」

「よろしくな」

そう言って、スッキリした顔をした赤西くんは正式にKAT-TUNを辞めた。
メンバーも笑って赤西くんを見送っていた。
６人の絆は切れること無く残っている。