東雲の空2【文豪ストレイドッグス】

前触れ ページ29

nonside

国「太宰が行方不明ぃ？」

今更だろうと、眉間に皺を寄せるのは、喧嘩を起こし、今日復帰した国木田である。

敦「電話も繋がりませんし、下宿にも帰っていないようで」

敦は太宰の身を心配し、国木田を筆頭とする探偵社員に相談した。
然し、太宰の失踪に大した興味を示さない社員たちは、口々に

国「また川だろ」

宮「また土中では？」

乱「また拘置所でしょ」

A「お空ではないと思います」

太宰の居そうな場所を挙げるばかりで、心配する様子は微塵もない。

敦「しかし、先日の一軒もありますし……
真逆マフィアに暗殺されたとか……」

国「阿保か」

敦の懸念も国木田は真っ先に否定する。

国「あの男の危機管理能力と生命力は悪夢の域だ」

A「ゴキブリ並みの生命力」

国「あれだけ自 殺未遂を重ねてまだ一度も死んでない奴だぞ」

A「一度死んだら終わりだと思うんですけど…」

敦(国木田さん、先刻からAちゃんの言葉無視してる…本当に何があったんだろう？)

敦はまた違う所で心配していた。

国「己自信が殺せん奴を、マフィア如きが殺せるものか」

敦「でも……」

谷「ボクが調べておくよ」

堂々巡りの会話を変えたのは、探偵社の手代のような調査員、谷崎だ。

A「潤一郎さん、無事でしたか！」

国「与謝野先生の治療の賜物だな。
谷崎、何回治療された？」

国木田の一言の、みるみる顔が青ざめていく谷崎。

谷「……四回」

余程思い出したくないのだろう。声はか細く、恐怖の染まっている。
国木田、乱歩、賢治は事の重大さが分かるのだろう、同調していた。

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