631.貪欲 JHside ページ31
JHside
済州の夏の夜風が気持ち良い
永住でもいいなぁ〜とこっちに来てからずっと思っている
隣に大好きな人がいて、小さな犬が2匹ふたりの足元で戯れる
そんな穏やかな日常があれば素敵だな…なんて
みんな誰かを想ってて
みんながそれぞれ闘って悩んで…人は貪欲だ
俺も例外無くそのひとりなわけで…
好きな人が自分じゃない人を見ている…
胸がギュッと掴まれて痛いのに
目を背けてしまえば楽なのに
風景の様に彼女をいつも俺の瞳が捕らえる
俺じゃない…
俺を見てよ…
願いは風に乗って飛んで消える…はずなのに…
A「ジョンハンくん」
可愛い声で俺の名を呼んだ
A「座っていい？」
JH「…ん。スニョンはいいのか？」
A「うん。花火に夢中で途中から忘れられた」ﾑｩ
JH「ふふっ。あいつらしいな」
A「…ジョンハンくん」
JH「…ん〜」
A「ごはん食べてないの？」
JH「食べたじゃん…おなかいっぱいだよ…」
A「そうじゃなくて…普段」
JH「…食べてるよ」
A「…嘘つき」
JH「…嘘つきは言い過ぎ」
A「食べないとダメだよ」
JH「……作りに来てよ」
A「……ん…」
JH「Aが作ってよ」
A「…作ってあげる」
JH「…嘘つき」
A「嘘じゃないよ…でも家には行けない」
JH「どして？」
A「…スニョンに心配掛けたくないから」
JH「ごはん作るだけじゃん」
A「そうだよ…でも…」
JH「……A……パボ…」
A「…はぁ〜??…ヤーッ！！！心配してんのに！！…」
JH「…ありがとう」
A「…あぁちんちゃ…。時々食べに来て。一緒に食べよ」ﾆｺｯ
JH「…行く」
「ふふっ、可愛い〜♡」って笑うAが可愛くて抱きしめたくなった
A「あと、ちゃんと寝て」
Aの声が聞けないから眠れないんだけど…
って言ったら前みたいに電話してくれる？
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作者名：ぽけ | 作成日時：2022年8月19日 10時
