こもれび (ページ12)

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むちゅうページ12

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家に帰った智くんは、
サラサラとさっき俺が立ち止まった鳥を描いてくれた｡

『翔くんにはどんな鳴き声が聞こえる？』

そう言ってその絵をくれて部屋に戻った智くんの今日の予定は、出版社に依頼された絵本の絵を完成させることで、お昼も各自にしようと言われた。

時間なんてあればあるだけいいみたいなこんな時に、
きっと俺のために散歩に誘ってくれる智くんはやっぱり優しくて。

痛いくらいに優しいと思ってしまうのは智くんにあまりに失礼なのに。

大事にされるのに足る人間か、
こんなに愛されてていいのか、
たまにこんなことを思うのは自然で。

ドアの向こうの智くんを見つめてしまう。

・

・

大きな締切は無く、
少し休暇状態の俺がリビングを掃除したり、
洗濯したり、皿を洗ったり、
今日はずっとリビング辺りにいるのに。

午後4時を回っても智くんは一回も食事を摂りに来ない。

心配だけど、邪魔はしたくなくて、
あと少し、あと少しと思っている間に外は暗くなって｡

洗濯物も畳み終わって。

9時を過ぎたあたりでさすがに心配になって、
わざとらしくカフェラテを持って部屋をノック。

まあ、返事なんてわからないんだけど。