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「では、私はこれで失礼いたします。なにか用があればまた呼んでください。」
女将さんが部屋を出た後、私達は料理をガン見した。
「翼、嘘ついたの?」
「嘘なんてついてないよ、」
「いや、それどっちでもいいよ、」
私達の目に映るのは絶望的に下手な料理。
パサパサのご飯。焼き焦げている魚。ベチャベチャの漬物。グツグツ言っていて味が濃そうな味噌汁。
「俺らが見たとき料理めっちゃ上手そうだったぞ?」
「うんうん、美味しそうだった、」
「てかさ、それ誰のなの?」
確かに、
上杉くんが出した問題に私達が頭を抱えていると、部屋の外で何か物音がして、コンコンとノックされる。
「俺、見てくるよ」
黒木くんが直ぐに反応して確認しにいく、
「俺食べねー」
「うるさいバカ武。誰も食べねぇよ」
また、ケンカしてる。
こういうときまでやってると怒りを通り越して尊敬を抱くよ。
「お待たせ、皆これ食べる?」
戻ってきた黒木くんの手には、おにぎりと大量のたくあんが入ったお皿があった。
「どうしたのそれ?」
黒木くんが首をかしげて言う。
「さぁ、部屋の前に置いてあったんだ、」
へぇ、なんか不思議だね、
未だ騒いでいる若武達を放置して私と黒木くん、小塚くんで机の上の食べ物を片付け、おにぎりとたくあんを置く。
「なんだ…それ?……妖気が漂ってる……」
どこからともなく現れた忍がおにぎりを見てそういう。
「それって、このおにぎり食べちゃダメな感じ?」
私が聞くと忍は首を横に振った。
「いや食える。悪い気はしないが凄く強い妖気を感じるんだ、」
うん…分かんない。
「でも、無防備に食べるのもどうかと思う。元々部屋の前に置かれてあって、誰が作ったのかも分からないしね」
黒木くんが険しい顔で言う。
「美門に匂いを嗅いで貰えば?」
「それが良いよ、」
小塚くんの意見に私もすかさず賛同する。
黒木くんもそれが1番良い方法だと思ったのか何回か頷き翼を呼んだ。
「美門、このおにぎりとたくあん、匂い嗅いでみて、」
「ん、良いよ、後で理由聞かせてね。」
翼はすんなりと受け入れ、口元を覆っていたマスクを外し匂いを嗅ぎ始めた。
「別に変な匂いはしない。普通に良い香りだ、」
へぇ、置いてくれたのは誰なんだろう?親切な人だな、
「うわぁ!!!」
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マシュマロ - おもしろい (2020年2月2日 9時) (レス) id: 01b39ab0f1 (このIDを非表示/違反報告)
秋(プロフ) - 魔理沙さん» ありがとうございますwその事件は新しく作った小説の方で進めていきます (2019年8月13日 10時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - すっごく面白い。彩はどんな事件に巻き込まれるのかな? (2019年8月13日 10時) (レス) id: 32185305c0 (このIDを非表示/違反報告)
秋(プロフ) - すいません。なんかいじってたらアカウント消えたので、新しくしました。神の子などの作品等は新しく作り直します。ご迷惑おかけします…。 (2019年8月11日 13時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)
秋(プロフ) - lkwistervenさん» 返信遅くなりすいません。ありがとうございます。更新頑張りたいと思います! (2019年8月11日 11時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)
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