検索窓
今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:47,693 hit

five ページ5

「では、私はこれで失礼いたします。なにか用があればまた呼んでください。」



女将さんが部屋を出た後、私達は料理をガン見した。


「翼、嘘ついたの?」


「嘘なんてついてないよ、」


「いや、それどっちでもいいよ、」



私達の目に映るのは絶望的に下手な料理。

パサパサのご飯。焼き焦げている魚。ベチャベチャの漬物。グツグツ言っていて味が濃そうな味噌汁。



「俺らが見たとき料理めっちゃ上手そうだったぞ?」


「うんうん、美味しそうだった、」


「てかさ、それ誰のなの?」


確かに、
上杉くんが出した問題に私達が頭を抱えていると、部屋の外で何か物音がして、コンコンとノックされる。


「俺、見てくるよ」


黒木くんが直ぐに反応して確認しにいく、


「俺食べねー」


「うるさいバカ武。誰も食べねぇよ」



また、ケンカしてる。

こういうときまでやってると怒りを通り越して尊敬を抱くよ。



「お待たせ、皆これ食べる?」


戻ってきた黒木くんの手には、おにぎりと大量のたくあんが入ったお皿があった。



「どうしたのそれ?」


黒木くんが首をかしげて言う。


「さぁ、部屋の前に置いてあったんだ、」



へぇ、なんか不思議だね、



未だ騒いでいる若武達を放置して私と黒木くん、小塚くんで机の上の食べ物を片付け、おにぎりとたくあんを置く。



「なんだ…それ?……妖気が漂ってる……」


どこからともなく現れた忍がおにぎりを見てそういう。


「それって、このおにぎり食べちゃダメな感じ?」


私が聞くと忍は首を横に振った。



「いや食える。悪い気はしないが凄く強い妖気を感じるんだ、」



うん…分かんない。



「でも、無防備に食べるのもどうかと思う。元々部屋の前に置かれてあって、誰が作ったのかも分からないしね」



黒木くんが険しい顔で言う。


「美門に匂いを嗅いで貰えば?」


 
「それが良いよ、」


小塚くんの意見に私もすかさず賛同する。
黒木くんもそれが1番良い方法だと思ったのか何回か頷き翼を呼んだ。



「美門、このおにぎりとたくあん、匂い嗅いでみて、」



「ん、良いよ、後で理由聞かせてね。」


翼はすんなりと受け入れ、口元を覆っていたマスクを外し匂いを嗅ぎ始めた。



「別に変な匂いはしない。普通に良い香りだ、」



へぇ、置いてくれたのは誰なんだろう?親切な人だな、



「うわぁ!!!」

six→←four



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
42人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

マシュマロ - おもしろい (2020年2月2日 9時) (レス) id: 01b39ab0f1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 魔理沙さん» ありがとうございますwその事件は新しく作った小説の方で進めていきます (2019年8月13日 10時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - すっごく面白い。彩はどんな事件に巻き込まれるのかな? (2019年8月13日 10時) (レス) id: 32185305c0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すいません。なんかいじってたらアカウント消えたので、新しくしました。神の子などの作品等は新しく作り直します。ご迷惑おかけします…。 (2019年8月11日 13時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - lkwistervenさん» 返信遅くなりすいません。ありがとうございます。更新頑張りたいと思います! (2019年8月11日 11時) (レス) id: fbca833c0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2019年1月27日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。