Farewell. ページ19
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“外階段”のお店に入ったら「あ！どうぞ」と私が来ることを知ってたみたいに、すぐに席に案内された。
行く場所行く場所に漂う身内感は何なんだろ。
店員さんの後ろについて、半個室みたいになっている場所に入ったら隆二さんが居ずまいを正したのが見えた。
「ごゆっくり」
店員さんの声に隆二さんは会釈して私に視線を移した。
「呼び戻してごめんね………座んなよ」
「……はい」
私が座るのどっかで見てた！？ってタイミングで温かいお茶が運ばれてきた。
監視カメラを探してキョロキョロしながら、悴んだ指先を湯呑みで暖める。
「何か、気に入らないことあった？」
ほっとかれたこと………とは言えなくて………。
「あんな、有名人ばっかり居る集まりだとは思わなくて」
「うん」
「………それだけです」
「黙って帰ったじゃん」
「誰かと喋ってたから、邪魔しちゃいけないかなって」
「うーん」
そのあと暫く沈黙になった。
間に耐えきれなくてすすったお茶は親の仇みたいに熱い。
何でお茶がこんなに熱いんだ………やっぱ身内を困らせた罰だ的なアレかな。
「好きな音じゃなかった？」
「ん…………よく分かりません」
音なんて最初の30分位しか聞こえなかった。
あとはずっと耳鳴りがして、隣には私の衣類をジロジロ見てる人が居て、あなたは…………遠くに居た。
「戻る？」
「え？」
「クラブ」
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年1月4日 20時
