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「も、もしもし」
“もしもし、今大丈夫?”
「はい、大丈夫です」
“来るんだよね?明後日”
私は、隆二さんに聞こえないようにフゥーっと長く息を吐き出した。
動悸のように胸がドキドキがしたからだ。
「行きます」
“良かったー。最終確認しとこうかなって”
笑いを含んだ声に私も思わず頬が緩む。
「ドタキャンしそうに見えますか?」
電話をしながら私はまた玄関でシュコシュコし始める。
“いやそうじゃなくて。何となく。………さっきコンビニ行ってさぁ”
「あそこの?」
“うん。ちょっと居るかなぁって思っちゃった”
私のシュコシュコを操る手がスピードアップした。
「今日は自炊するから寄らなくて………」
“独り暮らし?”
「うん」
溜まったかな?と覗き窓を見てタンクの蓋を閉めて持ち上げる。
「よいしょっ」
“あれ?料理中?”
「あ!違います!灯油!」
“灯油?”
「あのー…………ファンヒーターの」
と言いながらヒーターにタンクを入れて再びスイッチを押して、その前に座り込んだ。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年1月4日 20時