イカロスの鍵。 (ページ7)

今日:52 hit、昨日:35 hit、合計:846,301 hit

3 ページ7

・

隆二さんは、8m弱の距離を縮めようとはしない。

「ふーん………俺の愚痴も要求も受け止めきれんだ？」

「受け止めます！いつでも、隆二さんの為に開けますから。心の鍵」

「何か………あんなことして余計に燃えさせちゃった感じ？」

「そうかもしれません」

「…………しくった」

「え？」

「いや……で？俺が利用したいときはどうすれば良いの？」

「えっと………あ！ちょっと携帯出して下さい！」

「携帯？」

彼はポケットに手を突っ込んだ。

「はい、出したよ」

私は彼に駆け寄って同じように携帯を取り出して、画面を見せた。

「んとー………あった！この真っ黒い鍵のマーク！この絵文字を送ってくれたら私、駆け付けますから！」

「これ？」

「そうです！」

「こっちにハート付いた鍵の絵文字あるよ」

「あ、ハートは何か気持ち悪いんでやめときます」

「あ？あぁそう？」

「試しに一回送ってみて下さい」

「んー…………はい」

ピヨピヨと私の携帯が鳴る。

「音それにしてんの！？」

「はい！あっ、ポキポキのが良いですか？」

「いや、それは好きにしたら良いじゃん」

「じゃあピヨピヨのままで………こんな風に呼んで下さい私のこと」

朝、起きたばっかりでも買い物の途中でも、寝る前でも

私は駆け付けますから。