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向こうで盛り上がってる声が、こっちにまで聞こえてくる。







このまま彼女とあの人が意気投合して、二人で飲み直したりして“今度、遊びに行きませんか”とか言って………









そのまま付き合ったら良いな。







人の幸せを願ってるなんて言ったら偽善者みたいだけど







どうせ隣で見るなら幸せな姿のほうが良い。








のろけ話を聞いて私も隆二さんと、なんて想像したりして……やっぱ痛いかな。









一際大きな声が聞こえて、私は思わず下を向いた。









何か………一人以上に、一人ぼっちだ私。









.








.








その時、手の中で携帯が震えた。









画面には彼の名前、そして鍵のマーク。









私は立ち上がって店を出ようとして、慌ててみんなが居る席へ引き返した。









「仕事!呼び出し!」









唖然としてるA子に早口でそう伝えて、また出口へ走った。







どうしたんだろ。








また、何か半分ちょうだいって言うのかな。









私が今、半分あげられるとしたら寂しさくらい。









大通りまで出て、人の邪魔にならない場所で“どうしました?”と一言送って既読が付くのを待った。









既読がついてすぐ









“メシ”








と2文字。









「メシ……」







メシ…………作れ?作った?買ってこい?









“今どこ?店の住所送る”









メシ………一緒に食べるってこと?









私の寂しさを彼が半分貰ってくれた気がした。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年10月2日 19時

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