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元旦 ページ4

翌朝、いつもの時間に起きてしまったAだったが、今日は正月だと気付いた。
 また寝ようとすると、隣の赤司がこちらを向いてすぅすぅと寝息をたてている。

 寝起きが悪いのは今年もなのか、起きる気配は一向にない。
 それをいい事に、Aは赤司の顔をじっくりと見た。

 赤い髪…さらさらして指通りがいい、綺麗なリンゴのような赤い髪。
 バスケという室内スポーツだった為、あまり日焼けしていない肌は、白く透き通る肌。
 色違い…それとも真紅?どの色か分からない瞳を閉じて、長いまつ毛がうっすらと斜を落としている。

 こうしてみると、普段がかっこいいと思う赤司だから、年よりも幼く子供のようにかわいい寝顔だ。
 挑戦的な笑みもなく、無防備であどけない。

 そこに帝光時代…洛山時代の赤司を重ねる。
 やっぱり…大人になったんだなぁと感じた。

 今年の誕生日で、二十歳…
 本当に大人の男性へ。

 その一歩手前、最後の十代を赤司はどのように過ごすんだろう…
 そんな赤司の傍にいたい。

 いつも自信たっぷりな事をいう唇を、指で触れるようなぞる。
 あったくて柔らかい。
 赤司の唇のやわらかさなんて、自分しか知らないだろう。

 寝顔を堪能したAは新年から得をしたと、赤司の体にぴったりくっついて、ぬくもりと温度に包まれた。
 すると、体が閉じ込められる。

 少しだけ開いた瞼から、ルビーアイがのぞいていた。
「…タダでオレを楽しんで、Aはずるい」

 抱きしめたまま、赤司はまた目を閉じてしまう。
「でも今はオレがAを独り占め出来る時間…まだAとゆっくり眠りたい」
「…気付いていて、わたしでこっそり遊んでいたなんて、征十郎の方がずるい」

 Aに、赤司は口元を笑みで飾った。
「こんなオレを観察出来るのはAだけだから、いいじゃないか」

 そう…なのか。
 確かにそうだが。

 大きな呼吸をした赤司は、本当にまた眠ってしまう。
 Aも赤司の腕の中で、夢の世界に戻って行った。

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設定タグ:黒子のバスケ , 赤司征十郎 , 正月   
作品ジャンル:アニメ
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シャンプー - ラブラブで面白かったです♪他の作品も頑張ってください!(^^) (2018年3月7日 19時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろろん | 作成日時:2018年1月1日 2時

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