年越し ページ2
「来年は本当にAとのんびりしたいな…特別、重要な事もないだろうから」
赤司がそう言うと、Aはなぜか笑みがもれた。
「征十郎とのんびり、がなんだかおかしな話。帝光や、それこそ高1の時からは想像出来ない」
その時代をふと思い出した赤司は、複雑に笑う。
「あの時は…僕はただ勝利の二文字しかなかったから。もう一人の僕を完全に封印して気が狂ったように、全てに勝利するのが全て正しい、だから僕は全て正しいんだと思っていた。他人の事など一切無視してね」
「…でも、そんな征十郎も征十郎だから。今があるのも征十郎がいるからだよ」
目の前でそう言ってくれるAに、赤司はいつも心から救われる。
本当は、この世に存在してはいけない。
本当の赤司征十郎は、自分じゃない…
高2の、あの激戦の最中…全てを本来の赤司征十郎に返して、消えるはずだったのに…もう1人の自分が消えるなと抱きしめ必要としてくれたから、自分は今もこうしてここにいる。
Aと今年も過ごせて、その愛らしい笑顔を見ていられる。
こんな幸せを味わう為だったら、本当に生まれてよかったと思うし、あの時消えてしまわなくてよかった。
罪滅ぼしは時間をかけて続ければいい…
Aも傍にいてくれる、本当の自分もずっと胸の中にいて語りかけてくれている。
「ごちそうさま」
汁も飲んでしまった赤司に、Aは毎度ながら作りがいを感じる。
料理というものが出来て、それを赤司がおいしいと言って食べてくれて、主婦として幸せだ。
Aも食べ終わった時には、0時まで残すところ30分だった。
そうして…二人はソファーに座って、互いの愛に包まれながら新年を迎えた。
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シャンプー - ラブラブで面白かったです♪他の作品も頑張ってください!(^^) (2018年3月7日 19時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろろん | 作成日時:2018年1月1日 2時