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ページ7

アズサは手に持っていた魔導書を開いた。開けるとびっしりと文字と魔法陣のようなものが書き込まれていた。ゆっくりとした手つきで一枚ページをめくった。すると、そのページへこの部屋の光全てが集まった。アズサの手元にある魔導書は周囲の光を吸収するとともに、その本自体が光り始めた。


「これは、一体何なんですか!?」


誠が目を見開いて声をあげた。彼は妖に対しても何にしても無知すぎるのだ。目で見た世界しか信じず、絶対的人間を決める事で自分自身を守る。
しかし、誠が驚くにも無理はない。誠は半人半妖だからだ。それも、人間生まれだから。そしてとどめと言わんばかりに誠は記憶を消されていた。アズサは彼の保身のために誠を使用人の一人として雇った。

人間生まれ人間界育ちであり、一切の記憶が消されている無知な誠の目の前で起きている、『常識』とかけ離れたものは『異端』と呼ばざるを得ないのは明白だった。



「誠、記憶が消えているお前に教えてあげるわ。妖には、妖の『常識』と『異端』があることを」



アズサはそう言って、窓硝子に向かった。もうひびが割れて、粉々になった硝子がアズサに向かってきても可笑しくない。しかしアズサは動じる様子が見えないほど落ち着いていた。

アズサの瞳が、魔導書の光によって怪しく輝く。それはハッとするほど狂気じみているのに、口元は笑っていない。



「『−−−−−−』」



何か呪文のようなものをアズサは言ったはずだが、誠には聞き取れなかった。明らかに人間の言葉ではないということだけは判ったのか、誠は息を飲んでアズサを見つめていた。


アズサの持っていた魔導書が淡い群青色に輝く。光の一つ一つが少しづつ異なっているのに一つに集まることで確かな群青色になっていたのだ。
華やか、や綺麗なんて生半可な美しさではない。それこそ言葉を失い、ふと涙が頬に伝っているようで、光の美しさを極限まで引き出したような色合いに、皆目が離せなかった。




「『−−−−−−』」




アズサが再び聞き取れない呪文を唱えた。その姿は、まさに『人形』そのものだった。

・→←3:妖の呪文



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赤菊 藍(プロフ) - 逸さん» お褒めの言葉ありがとうございます。自分でもこの作品は好きなので感想を頂けてとても嬉しいです。三人称という今まであまり書いた事の無い小説ですので如何せん更新が遅くなるとは思いますができる限り頑張ります。最後まで読んで貰えるように頑張りますね。 (5月6日 8時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一瞬で世界観に浸ってしまいました、とても面白いです。好きなジャンルですし、赤菊さんが書く細かい描写や構成のおかげで読みやすかったです。更新楽しみに待っています。無理をなさらずに頑張って下さい、応援しています。 (5月6日 5時) (携帯から) (レス) id: 44c32ecf85 (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - 旅人さん» そのような評価を頂き光栄です。この作品は色々と自分の可能性を広げようと試行錯誤しているものなので、やや更新頻度が遅めですが温かく見守っていただければ幸いです。素敵な感想ありがとうございました。 (1月13日 8時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 描写がはっきりとしていてとても読みやすいです…!更新楽しみにしています! (1月13日 1時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2019年1月1日 1時

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