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1:その日、世界は消えた ページ1




「何で……予想よりも、遥かに早い!?」



アズサは澄んだコバルトブルーの瞳を見開き、声を絞り出した。アズサの隣にいる執事の(まこと)も、驚きすぎて声が出ていない。その証拠に、誠はあたりをきょろきょろと見渡しているのに息を吐いていない。

しかし、声が出ないのも無理はない。今見えている景色は、映画やドラマでしか起こってはいけない者なのだから。



二人の視界に映っていたのは、至る所に終わりの見えない大穴が空いている地面。空気は灰色のほこりが舞っていて、大きく息をすればむせてしまいそうで怖い。
空は紅色に染まりかけていて、まるで世界の終わりだと表しているようだった。



アズサはこの異常現象が来ることは判っていたが、時間も異常現象も予想より莫大な誤算が生まれている。




「ア、アズサお嬢様。これは一体……」



誠が震えた声を出しながら自分より背が小さく、幼いアズサに言った。アズサはすぐに誠の問いかけには答えず、顔を歪ませた。絵の具でも塗りたくったのかと疑うほどに白い手足が震えている。

誠はアズサの震えを見て、そんなに深刻なことなのかと体をより一層震わせている。額や背筋に冷や汗が伝っているのが雰囲気で伝わってくるのだ。



誠は混乱していて気づいていないが、アズサは既に事の重大さに気付いているようだった。



アズサは意を決して誠に話しかける。



「これは何かと聞いたわね」
「は、はい」


誠は焦りながらもしっかりと返事をした。



アズサは白い手で真っ赤なスカートを握りしめながら、悔しそうに遠くを睨みながら誠に告げた。





「そんなの、決まってるじゃない。この現象は……『人間』の仕業よ」




誠はどう返事を返したらいいのかわからず、ただ立ち尽くす事しかできなかった。


どこか遠くから獣の遠吠えが聞こえてきたが、反響することなく徐々に消えていく。




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赤菊 藍(プロフ) - 旅人さん» そのような評価を頂き光栄です。この作品は色々と自分の可能性を広げようと試行錯誤しているものなので、やや更新頻度が遅めですが温かく見守っていただければ幸いです。素敵な感想ありがとうございました。 (1月13日 8時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 描写がはっきりとしていてとても読みやすいです…!更新楽しみにしています! (1月13日 1時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2019年1月1日 1時

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