ビーグルパパとビーグル達 6

#295 ページ45

〜SE〜




いつものようにインターホンを押す。






いつもならドアも開けてくれないのに、今日は珍しく開いた。








SE『…ヌナ…っ。』








思わず、彼女を抱きしめた。







Aヌナの目は、赤く腫れていて。






見ない数日で、痩せたように見えた。








SE『ご飯…、ちゃんと食べてるの？』








フルフルと僕の腕の中で首を振る。






頬に触れて顔を覗いてみれば、目を合わせてくれない。






床の方をジッと見つめてるだけだった。







その目に力はなかった。








SE『お腹、すいてないの？』








僕の質問に、コクリ、と頷く。








SE『…一口でもいいからっ、食べて？じゃないと、死 んじゃうよっ…。ヌナがいなくなったら、嫌だよ…。』








また抱きしめた。






壊れ物を扱うように、優しく優しく。






弱ったヌナ。






弱みに付け込めよ、と囁く僕の悪魔。






ヌナを僕のものにしたいけど、今はそんなことできなかった。









SE『ヌナは、１人じゃないんだから…。』









ＳＯＳを出してよ、ヌナ。






助けて、って言ってよ、ヌナ。







どうして、そんなにもチャニョルさんを想って泣くんだよ…。







僕にしておけば、そんな辛い思いさせないのに…。







神様は、ズルイ。







ヌナも、ズルイや…。

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