検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:36,782 hit

15話 ページ15

俺は全速力で廊下を走り、客間へ急いだ。



今度は俺の好きにして良いんだ

主に、愛を求めても良いんだ…!





客間近くに来ると、
俺は立ち止まって乱れた呼吸を整えた


部屋の中からは知らない男の声と主の声が聞こえ
俺は部屋の前で耳をすませた。





「その頬の痣、
刀剣男士達にやられたんでしょう?」





彼等が憎いでしょう、
仕返ししたいでしょう、
罰を、与えたいでしょう

そう彼は私に言ってきた。





「普通はブラックだと認定されれば、
奴等に危害を加えた審神者は逮捕されます。

しかし私は、貴方がそうならずに奴等を好き放題させられる手口を知っている。

さぁ、私と手を組みましょう?」





手を差し出す彼に
私はいいえ、と短く答えた。

彼等にはずっと笑顔でいて欲しい、それが私の願いだ。

手を取るわけがない。



すると彼はスッと真顔になり、手を引っ込めた。





「そうか、それなら仕方ない
君には死んでもらわねばね」


「!?」





彼はスーツの内ポケットから小刀を取り出した。



力もない、運動神経も悪い
そんな私が太刀打ち出来るわけがない。


どうする、どうする…!

そう考えているうちに彼は小刀を振り上げている。
私はどうする事も出来ず目を瞑った。





「加州ッ……!」





カキーンと金属同士が打つかる音と共に、小刀が縁側へ飛んでいった。

目の前では紅いマフラーがなびいていた。





「な、んで……
加州君が、ここに………」


「何でって、そりゃああんたが呼んだからでしょ?」


「え?」


「………無意識、か」





ハァっと彼は大きな溜息を吐いた。


勿論刀剣男士達に普通の人間が敵うはずもなく、
出陣指導課の人はあっという間に取り押さえられた。


他の刀剣男士が政府の人に通報したようで、
すぐに体を鍛えているブラック本丸取締課の人達が来てくれた。



そして私と彼のやり取りは刀剣男士達により、
監視カメラで録画されていたらしく
言い訳する彼を一瞬で黙らせた。

それでも抵抗する彼を見ている加州君の袖を引いた。





「ねぇ、加州君
助けに来てくれて、ありがとう」


「………………別に
それと、加州“君”とかむず痒いかッッ!?」





彼の言葉を遮ったのは私だった。

16話→←14話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 加州清光   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤羽美海(プロフ) - 槝さん» コメントありがとうございます!!私的に三日月よりも初期刀の加州に「自分は1番古株だから、どんなに苦しくても頑張らなきゃ」って思ってたら萌えるな、と思い作りました。私も楽しく書かせてもらっているので、楽しいの共有が出来て嬉しいです! (2018年9月14日 18時) (レス) id: 49475d5f9c (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しく読ませて頂きました!ボス=三日月が多いのは同感です、自満で小説書くくらい思ってたので共感者がいて嬉しかったです* (2018年9月14日 7時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤羽美亜 | 作成日時:2018年7月25日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。