MANKAI寮の天使2 (ページ3)

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安心できる存在2 (紬) ページ3

「ごちそうさまでした」
紬「全部食べられて良かったよ」
「美味しかったです」
紬「薬も飲んだし……他に何か欲しいものはある？」
「いえ……大丈夫です」
紬「そっか。じゃあしっかり寝て、早く元気になろうね」

頷くAちゃんの頭を撫でてその場を去ろうと立ち上がると、不意に服の裾が引っ張られた。

紬「どうしたの？」

振り返ると、俺の服の裾をきゅっと掴んだAちゃんが、顔を半分布団に隠したまま

「……もうちょっとだけ、そばにいてくれませんか……？」

と上目遣いで聞くから、さすがに一瞬固まってしまった。
監督が至くんや万里くんじゃなくて俺に看病を頼んだ理由がわかった気がする。

紬「わかった。Aちゃんが寝るまでここにいるよ」

俺の服を掴むその細い手を解いて、代わりに自分の手で包んだ。Aちゃんは嬉しそうに

「えへへ……ありがとうございます」

と口元を緩める。そして数分もすればすっかり寝息を立てていた。
全く、無防備だなぁ……俺がそばにいて安心してくれるのは嬉しいけど、それはそれで複雑なような。
でも、こんな風に甘えてくれるのが俺だけなら……これからも、この子が安心できる存在でありたいな。