妖たちと暮らす家７

307:うしさせ ページ42

「今から帰ってもええで」

(機嫌悪いなぁ)

デートの為に早く寝ようと昨日は早めに布団に入って、楽しみで寝れない私を上手に寝かし付けてくれた彼に起こされた朝。
久しぶりのデートだから精一杯おしゃれしようとリビングでアイシャドウを選んでいると窓を叩く音がした。

「、、、居留守や」

「え、でも」

「気にせんでええよ。無視や無視」

彼の言葉が聞こえているのか窓を叩く音は小さいけどコンコン、からコンコンコンコンコンコン！と主張が激しくなった。
放っておいていいと彼は言うけどいよいよ我慢出来なくなった私がカーテンを開けると、みんながいた。

「さいっあくや」

「、、、開けるね？」

あーけーてー！と子供のようなさかたんの声が聞こえていて窓の鍵を開けると、おはよう！とリビングにみんなが集まった。

「なぁ、どこ行くん」

「どこでもええやん」

「スーパー、、じゃねぇよな？」

「いや、スーパーやで。近所のスーパー」

「絶対嘘！Aちゃん可愛い格好してんもん！」

「いつも可愛い格好しとるやろ」

はい、終わり。帰れ帰れと口々にどこ行くのと問いかける三人の背中をぐいぐい押して窓に向かわせる彼に負けじと三人は元居た場所に戻ってくる。


「「「俺も行く」」」

「なんでやねん！」

絶対嫌や、帰れと朝から賑やかな喧嘩をする四人を見ながらとりあえず化粧を済ませようとリビングを後にして自分の用意を終わらせた。
その間もぎゃあぎゃあとなにか揉める声は聞こえていて、髪を巻きながら賑やかだなぁと頬は弛む。

「Aちゃーん！入ってもええー？！」

「いいよー」

バン！と開けられたドアにはさかたんがいて、後ろには彼がいた。


「今日のデート、邪魔せーへんから一緒に行きたい！」

「あかん」

「センラには聞いてへん！」

「あかんって言うてる。はい、帰れ」

「言うてへんやろ！、、、なぁー、あかん？」

一緒に遊びたいぃ〜！とお願いのポーズをするさかたんが可愛らしくていいよと思わず返事をしてしまった。

「ほんま？！やったー！Aちゃんええって言うた！着替えてくる！」

うらさーん！まーしー！ええってー！とリビングに戻るさかたんの背中を呆れた視線で見送った彼は溜息をつきながら私の背中に顔を埋めた。

「、、、二人がよかったのに」

「今度二人で行こうね」

「いやや。今日がいい」

なんでやぁ〜、と文句を言う彼はしばらくそうして諦めた様に自分の身支度を始めてくれた。

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