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「電気消すな?」

「はーい」

サイドテーブルにあったリモコンを操作すると真っ暗になる寝室。
もぞもぞと体制を整えるとすぐに髪が撫でられる。
近頃の子供ならまだ起きてるんじゃないかと思える時間に、既に寝かされようとしていた。

「おやすみ」

「、、、おやすみ」

おでこにされたキス。
唇じゃなくても、これもいつも通り。
いつも通りなんだけど、、、。

(最近してないなぁ)

もやもやする理由の1つ。
帰ってきてからその、、、何もされない。
キス以上の事が無い。
帰ってきた日に、強請ったけどしてくれなかった。
それは身体を気遣ってくれているのがわかっていたし私だって我儘を言って甘えたかっただけで本気じゃなかった。

でももう1週間。
ご飯だって彼が作ってくれた何品もあるおかずをしっかり食べて体重は戻りつつあるし傷だって手首だけ。
それだって薄い切り傷になりつつあるからもう痛みも全くない。
なのに。
キスは少なくなった上に軽いものばかり。
前ならおやすみのキスからそうなっていくことが多かったのに、完全に寝かせにかかられてる。

目を閉じてぐるぐると思考を巡らせても、答えが出ない。

気を遣われてるだけ?
それともこの傷が全部治るまでしないつもり?
治るのっていつ?

嫌いにはなってないと思うけどやっぱりあの酷かった時の身体を見てそういう事をする気持ちにならないんじゃないか。

結局考えの行き着く先はそこで。
優しく髪を撫でている手が今は悲しくさせる。

ねぇ、なんで触ってくれないの。
一生一緒にいてくれてもこのままなんてやだ。
これは我儘かな。


「寝られへん?」

「センラ、あのね、、、」

「ん?どしたん?」

私を見下ろす瞳はこんなに優しいのに。
撫でていた手を止めて覗き込む様に合わされた視線に何も言えなくなる。

「あの、、、」

「ん?」

いつだって私の話をちゃんと聞こうとしてくれて、待ってくれる。
何かあったらすぐ気付いてくれる。
なのになんで今の私の気持ちには気付いてくれないの。

「Aちゃん?」

「センラは、、、」

撫でてくれていた手を掴むと握り返してくれた。
大好きな、優しい大きな手。
いつまでも話出さない私に、彼の長い指が私の指に絡む。

「なんかあったん?」

家から出てない私に何かあるわけない。
センラの事だよとも言えず何を言おうとしてたんだろうと視線を逸らしてしまった。

でも、言わないとずっと不安なままだ。

「あのね、、、」

299:センラside→←297



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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時

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