288:センラside ページ23
自分ってこんなにヤキモチ妬きで独占欲が強い奴やったっけ。
Aちゃんと暮らし始めてから知った自分の新しい一面。
何があったか聞きたかった。
気にしないわけがない。
知りたい。
でも傷付けたくない。
だから聞かない。
そう決めてたのに。
キスをされたと聞いただけでこうなるなんて。
「っせんら」
甘ったるい声も、鼻から抜ける吐息も、柔らかい唇もあいつが触れたと思うと一瞬にして頭に血が上る。
やっぱりあの時自分が殺しておけば良かった。
(、、、そんなわけないか)
唇を割ってAちゃんの柔らかい感触をしばらく味わっていたらようやく気持ちは落ち着いてきた。
舌っ足らずに名前を呼ぶ声も、キスを続けようとする合間の吐息も、抵抗しない唇も全部俺の為。
あいつが知るなんて有り得ない。
「っは、、、びっくりしたな。ごめんな」
そろそろ自分も苦しくなってきたわ、と唇を離すと握っていた手は強く握り返された。
「、、、怒ってる?」
「んなわけないやん」
潤んだ瞳は少し怯えているような気がしてやりすぎたなと乱れた髪を整えるように撫でた。
「話してくれてありがと」
怒ってないよと額に小さくキスをすると瞳は安心したように形を変えて緩く回された腕が嬉しくて抱き締め返した。
「怖い思いしたなぁ。もう大丈夫やから」
「うん...。浮気じゃない?」
「嫌やったんやろ?そんなの浮気にもならへんしあいつが悪いやん」
そっかぁ、と胸元で大きく息をするAちゃんはそれを気にしてたんかな。
浮気なんて、頭の片隅にも思ってなかったのに。
健気な子やな、と小さくなっている身体を思い切り抱き締めたい衝動に駆られる。
痣が痛そうやからしないけど。
「センラがこれからいっぱいするから、そんなん忘れてしまうよ」
「ふふ、いっぱい?」
「そう。今日1000回くらいするな?」
「唇腫れちゃうね」
くすくすと笑うから、本気やでと拗ねたみたいな声で覗き込んだ顔は大好きな顔で笑っていて安心する。
「じゃあ、1回目」
「っ、、、さっきまでのは?」
「ノーカン」
わざとリップ音を立ててキスすると恥ずかしいのか枕に顔を埋められてしまった。
(可愛いなぁ)
今までも数え切れへんほどしてるのに。
こんなのでそんなに照れてくれるなんて。
「なー、まだ1回しかしてへん」
「もう忘れたから大丈夫」
「俺が大丈夫ちゃう」
早く、と枕に埋められた顔を掬うと素直にあげられる顔。
「素直で可愛いな」
(あんなに照れてた癖に)
775人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時