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279:センラside ページ14

(良かった...)

無事に家に帰って来れて、こうやって抱きしめる事が出来て本当に良かった。
腕の中にいるAちゃんはまた泣いているけど、涙を拭ってあげれそうにない。
俺もなんだか泣きそうだったからおかえりのちゅーをしてないねと誤魔化すように甘えた。


「センラ、何か音がする?」

「リビングの方やんね?」


微かに話し声もする。
うらたん達かなとAちゃんの頭を撫でると寝室の扉がノックされた。

「開けて大丈夫ー?」

「、、、どうぞー!」

いいの?とAちゃんを見下ろすと頷くから声を掛けるとドアの先には天月くんがいた。

「そらるさんが渡してって」

「、、、!!」

Aちゃんの手のひらに置いてきてしまったとさっきまで慌てていたブレスレットが置かれて驚いた顔をしていた。

「ありがとう!本当にありがとう!」

「僕じゃなくてさっきの人が気付いたから...お礼はそらるさんに」

僕じゃない、と困った様に笑う天月くんにそれでも持ってきてくれてありがとうと今度は嬉し涙なのかまた瞳からは溢れていた。
本当に大事にしてくれてたんだなと嬉しくなる。

(壊れてしまったし、もっとええやつ買おう)

千切れてしまった細いチェーンが揺れるのを見てぼんやり思う。

「そらるさんって人にありがとうございますって伝えてくれる?」

「わかった。会ったら伝えておくね」

「Aちゃんおかえりー!」

「久しぶりの我が家はどうやー?」

天月くんの後ろから顔を出して坂田と志麻くんは自分の家の様に振る舞っている。
そのまた後ろではうらたんが用事は終わっただろ、さっさと帰るぞと服の裾を引っ張ってくれていた。

あいつをどう始末したとか、どうなったとかAちゃんが不安になるような事はみんなが周りに集まっても一切口にしなかった。
今後もそれを口にするつもりは無い。
人間っていうのはどんな卑劣な奴でも相手がどんな事をしていたとしても命に重きを置くから。
優しいAちゃんはどうなったかを知ってしまえば心を痛めてしまう。

そらるさんはしっかりと魂の回収をしたらしい。
ここに帰らせてくれた時、死神とバレないようになのか、怖がらせない為かはわからないけどAちゃんが目を閉じたのを確認した後に背後から大きな鎌を出していた。
その鎌を一振しただけで戻ってこれた事に神様なんだと実感した。
神はあまり関わりがないけど、そらるさんは優しかったなとブレスレットを持つAちゃんの掌ごと緩く握りしめた。

280:そらるside→←278



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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時

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