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一人では絶対に来れない、可愛いらしい雰囲気のカフェ。
デートなのか周りもカップルばかりで自分がその空間に居ることが不思議だった。
「迷ってる?」
「これか、これにするかで迷ってる、、、」
「じゃあ二つ頼もう」
半分こしよ、とメニュー表から顔を上げると彼は優しい瞳で私を見つめていた。
「いいの?センラが食べたいのは?」
「俺はええよ。どっちも食べたいんやろ?」
「、、、うん」
じゃあ頼むねと店員さんを呼んだ彼は本当に私が迷っていた二つを注文してくれた。
「向き合って食べるの、初めてじゃない?」
「そうやね。いつも隣やからちょっと変な感じ」
ふふ、と目を細めて笑う彼の顔から目が離せない。
「ちゃんと食べや」
半分この意味も無い程メインのおかずをほぼ私のプレートに乗せてくる彼に、慌てて食べてるよと言うとほんまー?と訝しげな目を向けられてしまった。
「センラが食べる分無くなっちゃう」
「食べれるだけ食べて。残ったやつ俺が食べるから」
もうお腹一杯になってきたなんて言えないな...といつもより多く頑張って口に運んでごちそうさまと言うと満足そうな彼が残りを食べてくれた。
「この後どこ行きたいん?」
「とりあえず隣のビルかなぁ」
食べ終えて涼しいうちに次の行き先を決め席を立とうとすると彼が伝票を持ってゆっくりでいいからねと足早にレジに行ってしまった。
「あの彼氏優しすぎない?彼女の好きなやつ頼んでた」
「あんな彼氏いいなー」
席を立った後小声だけど聞こえてきた、隣の女の子たちの会話。
会計を終えた彼は私が向かうと店のドアを開けてくれる。
(やっぱり優しいよね)
優しすぎると言われた当の本人はあついー!しぬー!と声を上げながら当たり前の様に私の手を繋ぐ。
「センラ、ごちそうさまでした」
「美味しかったね」
暑いとあんなに騒いでたのに私の言葉にまた行こね、と柔らかく笑う彼にいつも見てる顔なのに改めて好きなだなぁとまじまじと見てしまう。
「何かついてる?」
「いや、、、なんにも」
えー?なにー?と首を傾げる彼に、かっこよくて見惚れてしまったなんて言えるわけも無く早く行こうと繋いだ手を引いて目的のお店へと向かった。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時