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深夜にマンションで誰ともすれ違う事も出来ず、車に乗せられ手を縛られて横倒しにされた私は高瀬さんの家がどの辺なのかもわからなかった。
縛られた手は解かれたけど、背中に再びナイフは添えられ逃げられそうに無い。
玄関の扉を開けると人が住んでいるのか疑問を持つくらい殺風景な広すぎるリビングが見えて生活感の無さに唖然とした。
背後でガチャリと鍵とチェーンを掛けた音がした。
今の私には、重すぎる耳に残る音。
「ここが寝室」
「っ、、、」
私の為に準備したと言う寝室はこの家に似つかわしくない程可愛らしい大きなベッドで、薄いピンクのシーツにシャンデリアが飾られた天井から囲う様にレースカーテンが吊り降ろされていた。
「女の子って、こういうの好きでしょ?」
僕の趣味じゃないんだけど喜んで欲しくてと何処かうきうきとした声でベッドに座るよう促される。
「着替えようね」
「ちょっと!やめてください!」
当然の様に服に手を掛けられて跳ね除けると押し倒されてフローリングに着いていた筈の足は空を切った。
「じゃあ、向こうむいてるから着替えて」
明るい部屋でしっかりと見えた高瀬さんの顔は怖かった。
何処を見てるんだろう。
視線は合うのに冷たい視線に身体が緊張する。
(嫌だな)
背中を向けてドアの前に立つ高瀬さんの姿を横目にベッドの上に準備されていた服を広げると真っ白なワンピースだった。
まだ?と言う声にまた触られては堪らないと着替えると呼んでもないのに振り返った高瀬さんはそれは嬉しそうに笑った。
「似合うと思ったんだぁ。やっぱり白が似合うね」
ペラペラと話しながら近付いてくるのに身体は強ばった。
トン、と肩を押されベッドに座るとしゃがみ込んだ高瀬さんは私の足に何かを付け始めた。
「、、、何してるんですか」
「逃げないように」
突然重くなった片足。
慌てて見ると足首には足枷と長い鎖が見えた。
(逃げれない、、、!)
隙を見て部屋を出ようと思っていた私は絶望した。
鍵は高瀬さんのポケットに仕舞われ再び思考はどうしよう、どうしようと考えが纏まらない。
この部屋から出られなければ、彼に会えない。
「これでやっと僕のものだね」
迫ってくる身体を避けたくて両手を突き出すとあっさりと掴まれてしまった。
「あれ?」
何かに気付いたように声を上げた高瀬さんは一瞬顔を歪ませる。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時