203:センラside ページ24
行きたくないと拗ねるAちゃんも可愛かったなとドアが閉まったのを確認して鍵をかけてリビングに戻る。
帰ってこないというだけで出ていったばかりなのにもうさみしい。
行きたくないと零すAちゃんに行かないでと冗談でも言ってしまえば本当に行かないような気がして言えなかった。
ソファに座り思い出したのは、相変わらず届き続けるあの封筒。
三人に頼んでAちゃんに見せないよう帰って来るより先に取ってきてもらうようにしている封筒を開け中身を確認して眉間に皺が寄った。
(出張頑張ってねって、、、こいつ何で知ってんねん)
非通知の電話は非通知拒否にしたからか掛かってくることは無くなった。
でも次から封筒には何で出てくれないのと書かれた手紙が届き続けていたけどそれもようやく収まったのに。
(どこで知るんやろ)
顔の見えないこいつにイライラする。
すぐ終わると思っていたのに。
細かく破いた手紙をゴミ箱に捨てて気分を変えようと携帯の画像フォルダを開きAちゃんの写真を眺めた。
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「なんやこれ」
「、、、やば」
出張だから届かないと思っていた封筒は夕方にまた届いていたらしく郵便受けを確認してくれたうらたんが届けてくれた。
中身は見守ってるからねと書かれた手紙と、駅のホームで電車を待っているAちゃんの写真だった。
「うわ、、、写真は初めてなん?」
「せやな」
覗き込んだ坂田も珍しく顔を歪ませている。
気味が悪い。
まさか後をつけて同じ所にいっているんじゃないかと急に不安になってきた。
何かあってからでは遅すぎる。
「そろそろ何とかせなあかんのやろうけどどうしたもんかね」
見せて、と覗き込んだ志麻くんが天井を仰ぎながら言うのに同じ事を思う。
手の施しようがない相手にどうしていいかわからない。
(見つけ出して俺はどうしたいんやろ)
まぁ、息の根を止めてやりたい気持ち一つなんやけど。
何人殺めてきたかわからない自分にはこいつ一人始末したところで何も思わない。
でもそれをする気にならないのは汚れた手でAちゃんに触れたくないから。
だから見つけ出したなら二度とAちゃんの生活を脅かすような真似をさせないようにさえ出来ればいい。
(満足はせんけどな)
隠し撮りとはいえAちゃんの写真を破く気にはなれなくて俺専用の引き出しにしまう。
Aちゃんに写真を送ってあげよー!と俺の携帯を持つ坂田の明るい声に少しだけ救われた。
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あーりん(プロフ) - 折_こたぬきさん» わー!貴重な男性コメントありがとうございます!!しかもキュンキュンして頂けているとは、、、すごく嬉しいです!!次のお話でも宜しくお願い致します! (2019年8月8日 3時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
折_こたぬき - 初コメ失礼します!初投稿から男子1人でずっとキュンキュンさせてもらってます!これからも更新頑張ってください! (2019年8月8日 2時) (レス) id: 5fe8b549a6 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ☆レム☆さん» 大好きと言って頂けて嬉しいです( ;__; )!長くお付き合い頂いてありがとうございます!もちろんこちらもフォロバさせて頂くので宜しくお願い致します! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - またよろしければTwitterのほう、フォローさせていただいてもよろしいでしょうか?長くなってしまい申し訳ありません。これからもずっと応援しております(*^^*) (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - はじめまして、コメント失礼いたします。投稿当初からずっと読ませていただいております。読む度に幸せな気持ちになれるこの作品が本当に大好きです(*^^*)無理はせず、あーりん様のペースで更新なさってくださいね!これからも楽しみにしております! (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年7月14日 15時