191:センラside ページ12
「Aちゃん、寝た?」
「寝た。俺もう向こう行くし、うるさくする以外なら好きにしていいから」
泊まって欲しいと言う珍しいAちゃんの我儘に戸惑ってはいたけど三人が頷いてくれて良かった。
本当に楽しかったんだと思う。
食が細くなっていたAちゃんはよく食べていたしよく笑っていた。
少し悔しいけど、俺だけじゃ無理だったから仕方ない。
慣れない事をさせた三人に感謝しなきゃいけない。
「俺ら本当にいるからな、、、ヤラシイ事すんなよ」
「する訳ないやろ」
アホか、とからかううらたんに悪態をついておやすみとリビングを出た。
ベットにゆっくりと寝かせたAちゃんはいつもなら少し起きるのに今日は目を覚まさなかった。
それだけいつもあまり寝れていなかったし今日安心して寝れている証拠だとほっとする。
Aちゃんが帰ってくる前にまーしぃに郵便受けから抜いて貰った封筒にはいつもおかえりと書かれているのに今日は休みの日は何をするんだと書かれていて眠っているAちゃんを横目に見せなくて良かったと四人で顔を見合わせた。
(何しようと関係ないやろ)
少しイラついた気持ちになっていたからか髪を撫でていた手に力が入ってしまったのかもしれない。
寝息をたてていたAちゃんの目が開いてしまった。
「ごめんな、起こしちゃったな」
おやすみとなるべく優しく布団を掛け直す。
「今日楽しかったね」
「そうやね」
完全に目を覚ましてしまったAちゃんはありがとうと小さく笑った。
「大変だった?」
「全然?みんなも楽しんどったで」
それは本当の事で、大量に買い物をしてきてくれた三人は家に帰ってくるなり興奮した様子で楽しかったと口々に話していた。
「わがままも言っちゃった」
「気にせんでええよ。テレビ見れるって喜んでたし」
うるさくしたらすぐ怒りに行くと言うとそれも楽しいからいいよと優しい声がした。
「誕生日みたいなみんなでのご飯も本当に嬉しかったんだけどね」
「うん」
「センラの事、写真に写せたのが一番嬉しかった」
せっかく用意してくれたのに、と身体を寄せるAちゃんを抱き寄せるとなんだか胸が苦しい。
それは嫌な苦しさじゃなくて、一番嬉しいという事が自分の事なのが嬉しかったから。
早く二人の写真を増やそうねと可愛い事を言う唇を塞ぐと、うらたんのヤラシイ事をするなよと言う声が反芻してこんなことなら一回帰らせればよかったと自分の欲と葛藤した。
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あーりん(プロフ) - 折_こたぬきさん» わー!貴重な男性コメントありがとうございます!!しかもキュンキュンして頂けているとは、、、すごく嬉しいです!!次のお話でも宜しくお願い致します! (2019年8月8日 3時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
折_こたぬき - 初コメ失礼します!初投稿から男子1人でずっとキュンキュンさせてもらってます!これからも更新頑張ってください! (2019年8月8日 2時) (レス) id: 5fe8b549a6 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ☆レム☆さん» 大好きと言って頂けて嬉しいです( ;__; )!長くお付き合い頂いてありがとうございます!もちろんこちらもフォロバさせて頂くので宜しくお願い致します! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - またよろしければTwitterのほう、フォローさせていただいてもよろしいでしょうか?長くなってしまい申し訳ありません。これからもずっと応援しております(*^^*) (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - はじめまして、コメント失礼いたします。投稿当初からずっと読ませていただいております。読む度に幸せな気持ちになれるこの作品が本当に大好きです(*^^*)無理はせず、あーりん様のペースで更新なさってくださいね!これからも楽しみにしております! (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年7月14日 15時