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「大丈夫だと思う」
「なんで」
「先輩たちの近くにいるから」
それと多分私の事は好きじゃないと思う、気のせいだよと言うと彼は最近見たドラマの話をつらつらと語り始めた。
「そんで、他の男を出し抜いてその人はその女の子にランチに誘うねん」
「ドラマでしょ?」
昼ドラだからドロドロさせる為にそういう話なんだよと言うと彼はまだ納得しない声を上げている。
「共感できるところがあるからドラマになるんちゃうのー?」
それは一理あるけど、と頭の端で思うけど余計な心配もかけたくないから現実にはなかなかありえないととりあえず否定しておいた。
「、、、今度誘われたら行く?」
「何を?」
「お昼ご飯。その人と」
久しぶりに聞いた彼の不安そうな声。
語尾がだんだん小さくなって声は聞こえにくかった。
「行かないよ。行っても話すことないし、それに、、、」
「、、、それに?」
「センラ嫌でしょ。電話だってしたいし」
だから行かない、と言うと嬉しそうな笑い声が耳元に聞こえてきた。
「その先輩たちには彼氏おるって言うたんやろー?」
「言ったね」
(言ったというか、バレたというか)
「じゃあいいや。そいつに彼氏いるって誘われたら言うんやで」
「もう誘われることなさそうだけどね」
彼に寄りかかり背中を預けるとわからんやんか、と文句を言っていた彼は私を抱き直して大人しくなってくれた。
「何かあったら連絡して。俺は行かれへんのが悔しいけどあいつらなら人間のフリして行けるから」
「わかった」
ありがとうと言うと何もないのが一番やけど!とぎゅうぎゅうと抱きしめられて笑ってしまう。
「心配性だなぁ」
「Aちゃんにだけやで」
後ろにいる彼を振り返るように見上げるとこめかみに唇があてられた。
「あ、これ見せたら?そしたらそいつも諦めるんちゃう?」
部屋着の首元を指でひっぱり、彼がつけた痕を覗き込むように言うから慌てて手を叩いた。
「ばかじゃないの」
「冗談やんか。こんなん見られるってことは脱がされてもうてるやん」
そんなことあってたまるか、と彼は怒っている。
笑ったり怒ったり忙しいなぁと思いながら眠くなってきて、いつも運んでくれるしこのまま寝てしまおうかと携帯をソファに置いて彼の身体に全ての体重を預けて目を閉じた。
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます!やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます!笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです! 坂田くんver.気になって仕方ありません!! これからも頑張ってください! 応援してます! (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます!どちらも読んで頂けて嬉しいです( ;__; )今後もよろしくお願いします! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月19日 6時