妖たちと暮らす家３

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目を覚ますとまず目の前が肌色だった。
顔を上げると珍しく彼はぐっすり寝ている。

(寝ててくれて良かった)


寝返りを打ってベットの下を見ると脱ぎ散らかした服。
起きようと思っても何だか身体が少し怠い。
お休みだし、まぁいいかとまた彼の方に向き直ると目を覚ました彼が飛び起きて私の身体に触れた。

「びっ、くりしたぁ、、、」

焦ったような顔で私の手首や身体を調べていく。
肌を撫でていく手がくすぐったい。
前に手首を赤くしたのを気にしていたんだと思う。

「良かった、、、何もないわ」

はぁ、と私の真上で安堵の表情を浮かべている。

「痛いとこない？俺酷いことせーへんかった？」

「、、、してないよ」

やっぱり覚えてないんだなぁとぼんやり思う。
酷いことしなかった？という問いに昨日の事を思い出して私に重なる彼の胸を押し返した。

(恥ずかしい)

「、、、そんな可愛い顔させること、俺したん？」

「わかんない、覚えてないっ」

顔を隠したいのに離してと言ってもやんわりと手首を掴まれて動けない。
両肘をついた彼が、私の耳元で昨日の俺何したん？と意地悪く囁く。

「つけた覚えのない痕もいっぱいついて、、、昨日の自分なのに知らん奴みたいでヤキモチ妬くわ」

痕のついた場所をなぞっていくように彼の指先が動いていく。
くすぐったくて身体を捩らせるとこっち見て、と言う彼の拗ねた声が聞こえて視線を彼に移す。

「、、、」

昨日何度も見つめられた艶っぽい瞳が私を見下ろしていて言葉が出ない。

(気持ちいいなぁ？どこが好き？)
(手どけて、声聞きたい)
(ちゃんと顔見せて)
(可愛い、もっと見たい)

私しか映さない瞳に昨日の事を余計に思い出してしまった。
何度も抱かれ名前を呼んで縋りつくことしか出来なくなった私を見て、今センラの事しか見てないねと吐息の中で嬉しそうな声を聞いた。
いつも優しい彼だけど満月の夜は少し意地悪になるなぁ、と私を見下ろしたままの彼の首に腕を伸ばした。

「昨日いっぱい酷いことされたなぁ」

「うそやん、ごめんっ！」

わざとらしく拗ねたつもりだったのに彼は私の瞳を見つめてやっぱり別々に寝ればよかったと泣きそうな声を出した。

「うそ。寝かせて貰えなかっただけ」

「、、、、それは、かなりヤキモチ妬くお話なんですけど」

覚えてない、辛いと彼が私の首筋に甘えてきたから優しく髪を撫でると、今日もしようとふざけた事を言うから少し元気になった私は彼を置いてさっさとシャワーに向かった。

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