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「しつこかったからふざけてそいつに銃向けたらAちゃんにやめろって言われて、その後話しただけやから」
だからそんな怒らんといたって、とまーしぃは慌てて彼を宥めてくれる。
「お前ら今日はもう帰って」
二人で話したいという彼に誰も否定出来ずわかったと心配そうに視線をくれたさかたんとうらたんは静かに姿を消した。
「センラ、俺がふざけただけやから」
「うん。それはもうわかった」
その後を話させない彼の雰囲気に、まーしぃは私にごめんなと申し訳なさそうに言うと姿を消した。
「、、、」
気まずくて何て言っていいのかわからない。
しーんとした空気になった事がなくて彼が怒っていることにどきどきと心臓が早く脈打つのがわかる。
しばらくお互い黙ったままの時間が過ぎると彼の大きなため息が聞こえて肩がびくつく。
(どうしよう)
「ごめん...黙って行こうと思ってた訳じゃなくて」
意を決して顔を上げて彼の顔を見上げる。
「、、、うん」
「なんて言っていいかわからなくて、、、」
見下ろす視線がいつもと違うのになんだか泣きそうになってくる。
見上げたまま口をつぐむと彼は優しく私の髪を撫でた。
「ごめん。Aちゃんが謝ることじゃなかったな」
合コンって聞いて怒りすぎた、と小さな声で言うと抱き締められた。
「しつこく聞いてきた男ってAちゃんのこと好きなんちゃうの?」
「それは、、、わかんない」
小さく呟くと私を膝の上に抱き直した彼の肩に顔を埋める。
「行きませんって言うたん?」
「行きたくなかったから、ちょっと返事待って貰えませんかって言ったの」
「うん」
「そしたら、どうしても無理ですかって言われて、、、」
断ると会社での風当たりが少しきつくなること、今まで断った人もそうだったこと。
強制参加を断るとそうなるから迷っていることを彼に話すと、背中を撫でながら小さく頷いてちゃんと聞いてくれた。
「合コンじゃ、ないから、、、」
「それはみんながふざけて言うただけなのは途中でわかってるから」
大丈夫、と小さく笑う。
ようやく笑ってくれた事に安心して、彼の背中に回した腕の力を強くすると、彼も抱き締め返してくれた。
「怒ってごめんな。言いにくかったやんね」
ごめん、と穏やかな声で背中を撫でていく。
「自分で言わなくてごめんね」
まーしぃが代わりに言おうかって言ってくれたのに甘えてしまったと言うとまた彼は小さく笑った。
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時