106 ページ20
ベッドに肘をかけて私の頭を撫で続ける彼の瞳を見つめる。
手を繋いで欲しくなって布団から手を出して彼の方に差し出すと優しく握ってくれた。
「しんどいなぁ？」
呟くように言う彼の手を握り返してふー、と小さく息をつくと空いている手でおでこに手があてられる。
「朝よりだいぶ熱上がってるわ、、、」
大変、と慌て始める彼を見て小さく笑う。
「寝てたら大丈夫だよ」
「そうやけど、、、インフルエンザってしんどいんやろ？会社も明日からちゃんと休めたん？」
「うん、四日間お休み」
四日でほんまに治るんかなと疑いをこぼす彼に、薬が効いたら大丈夫だよと笑う。
「熱いなぁ」
首筋を触る彼の手が冷たくて気持ちいい。
目を閉じると病院で飲んだ薬のおかげもあってかうとうとと眠たくなってきた。
「寝れそう？いっぱい寝て治そうね」
優しく囁く彼の声に返事が出来ず、ひんやりとした彼の手を握り返した。
-------------------------
(のどかわいた...)
夕方に寝たはずだったのに目が覚めた時は真っ暗で今何時だろうとぼんやり思う。
「起きたん？しんどい？」
小さい柔らかい声で頭が撫でられる。
彼の方を向くとずっと手を繋いでくれていたようでベットの下に座ったままだった。
「手、、、ごめん。辛くなかった？」
「全然？よう寝てたね。何か取ってくる？」
喉が乾いたと言うと、持ってくるねと彼はリビングに向かった。
起き上がろうと身体に力を入れてみるけど相変わらず怠い。
喉の乾きもあってかけほけほと咳も出てきた。
一度出た咳は止まらず、本格的にインフルエンザの症状だなぁと思っていると戻ってきた彼は慌てている。
「ちょ、大丈夫？！」
背中を撫でる彼に返事をしたいけど、咳が止まってくれない。
とりあえず何か飲もうと持ってきてくれた帰りに買ったスポーツドリンクを口にするといくらかマシになった。
「ごめんね、びっくりしたよね」
「びっくりした、、、ほんまに治るんやんな？」
薬飲もう、と一緒に持ってきてくれたゼリーを渡される。
「食欲ないなぁ」
食べなきゃだめかなと彼を見ると眉を下げている。
「頑張ってお腹に何か入れて薬飲まんと...。しんどいままになってしまうで」
これももっと飲んで、とコップに入れられたスポーツドリンクも渡される。
心配そうな彼の顔を見ると言うことを聞かないとなと大人しく食べて薬を飲んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 760人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー！ありがとうございます！m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します！ (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね！おめでとうございます〜！これからの展開も楽しみにしてます(*´艸｀) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます！深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーりん | 作成日時：2019年6月9日 16時
