妖たちと暮らす家３

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今日はゆっくりランチが出来そうだと会社近くのカフェに来てテラス席に座ること10分、センラと書かれたLINEの画面とにらめっこし続けている。

(なんて送ろう)

別に悩む程のことではないんだろうけど、男性と最近した連絡のやり取りといえば会社の仕事関係ばかりでそういえば大学でもそこまで連絡を取ったことが無かったなと思い出してみる。
自分から連絡するのも得意では無いしあまり必要も感じてなかったけどその生活が裏目に出てしまった。
彼氏に送るLINEというのがさっぱりわからない。

(うーん、もうこれでいいや)

送らないよりましだとセンラ、とだけ送ってみるとすぐに既読がついて驚いた。

センラAちゃん

名前が書いてあるだけなのに、彼からだと思うと嬉しくなってしまう。

A何してるの?

センラさたた

(さたた？)

さたたって何、そんな話してたっけと最近の会話を思い出しているとすぐに送られてきた。

センラまちがえた
センラさかたきてる

(さかたんか)

またすぐに送られてきたのは画像で、ふざけた様子のさかたんが写っていて小さく笑ってしまう。
センラも暇だろうし私がいない時も来ていいよと言ってあるからたまに来ては遊んで帰っているらしい。
昨日のお礼言っておいてねと送ると、もう言ったと昨日買っていたスタンプと共に送られてきた。

何気ないやり取りも楽しいなと携帯の画面を見ながら思う。

センラごはんたべた?
A今食べてるよ
センラきょうはたべれてよかったね

変換の仕方がわからないのかひらがなばかりだなぁと笑ってしまう。
返信の内容に、昨日お昼食べる時間が無かったという話をしていたからちゃんと毎日私の話を聞いてくれているんだと嬉しくなった。
会社に戻るね、と送ると『がんばってね』と来て手帳に書いてある小さな文字でも頑張れるけどこっちのほうがもっと頑張れそうだなと家のソファに座っている彼を思い出して携帯をスーツのポケットにしまい会社に戻った。


午後の3時に差し掛かる頃、コーヒーでも飲もうと給水室に向かい携帯を見ると通知が来ている。
開いてみると彼からだった。

センラすき

送られていたのは少し前で、私は必死にパソコンに資料を打ち込んでいる時だった。
あの時間、私の事を考えてくれていたんだなと頬が緩む。
素直に返信できない私はスタンプを送って好きだと伝えた。

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