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「あ!プリンあるよ」

もうそろそろ終わろうかなと思った時にふと思い出した。

一緒に食べようと思って買ったんだった。

お腹に回された腕を解いてプリンとスプーンを持って戻ると拗ねたような顔の彼がここに座れと自分の膝を叩いている。

(え、恥ずかしい)

さりげなく隣に座ろうとしたのにそうはいかなかった。

結局彼の膝の上に戻った私は2つ分のプリンを開けてスプーンを渡す。

「今日待っててくれた、ご褒美」

どうぞと渡すと、ふふ、と笑うような吐息が聞こえた。

私も自分の分を食べようとスプーンを持つと、私の口元にプリンの乗ったスプーンがある。

「なに、、、?」

振り返ると彼の顔は見えないけど、あーん、と言って私の口に再びスプーンを近付けてくる。

「私の分あるよ」

ほら、と見せると首を振っている。
とりあえず食べるまでスプーンを引く気はないらしい。

(食べなきゃいけないのか...)

昨日の恥ずかしさを思い出しながらスプーンに盛られたプリンを食べる。

横目で彼を見ると満足そうに笑って次の用意をしているのが見えた。

「自分で食べれるから、食べて?」

そそくさと自分の分のプリンをスプーンにすくおうとするとまた首を振っている。

再び私の口元に寄せられるプリン...。

結局彼のプリンだと渡した分は全て私の胃の中に入っていった。

となると私の手にあるプリンは彼のものになるわけで。

「全部食べちゃってごめんね、はい」

満足そうに空になったプリンの容器をテーブルに置いた彼に自分の分のプリンを渡す。

でも頑なに受け取ってくれない。

「いらないの?」

違うと首を振って口を開けた。

(まさか...)

「食べさせて欲しいの?」

うんうんと嬉しそうに頷いて再び口を開ける。

甘えてくれるなら素直に返そうと決めたじゃないか。
冷静に冷静にと嬉しそうにプリンを食べる彼の顔をあまり見ないように、親鳥が雛にえさをあげるようなもんだと自分にいい聞かせながらせっせとプリンを口に運んだ。

どきどきして食べた気にはならなかったけど、2人で食べたプリンはなんだかいつもより甘かった気がした。



寝ようと布団に入るもいよいよ本当に狭くなってしまった。
これより大きくなってしまったらどうしよう。
敷布団を買って床で寝るしかないなぁと考えながら瞳を閉じると、彼が鼻歌を歌っているのかとても綺麗な音色が聞こえてきた。
もっとききたかったのに、目を閉じるとすぐ眠ってしまった。

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設定タグ:浦島坂田船 , センラ , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます!小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます!コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです!!読む度癒やされてます! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然!!気長に待ってます!! (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年5月17日 21時

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