妖たちと暮らす家【浦島坂田船】

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「なんでそんな怒ってるのー？」

むす、とテレビを見る横顔に問いかけるとじとーっとした目がこちらを捉えている。

「なに、、、」

むくれている頬をぷす、と指すとその手を取って頭に持っていかれた。

「なに？」

少し項垂れるみたいに下げたままの頭に乗せられた手を下ろせないまま問いかけると、もう一度手を取られて左右に動かされる。

(え、、、)

「頭撫でて欲しかったの？」

ゆっくり、優しく私の意思で頭を撫でると恥ずかしそうにこくん、と頷いた。

(えー、可愛い...)

アイスより、こっちの方がいいなんて。
ふふ、と笑いながら頭を撫でていると背中に腕が回されてぎゅー、っと抱きしめられる。

そういえば、寝てばかりいるのが心配すぎて今日は頭を1回も撫でていなかった。

首筋にかかる息が少し冷たくて、くすぐったい。

「もう寝よっか、寝れる？」

ぽん、ぽん、と背中を優しく叩きながら聞くと頷いたような気がしたから寝室へと向かった。


「あんなにいっぱい寝たのにほんとに寝れる？」

大きくなったことで少し狭くなったベッドに横になると彼は既にきちんと横になっていた。

うん、と頷くので布団をかけて電気を消す。

「えらいね」

電気を消すとちゃんと目を閉じていたから褒めると薄く瞼が開いて綺麗な金色の瞳が見えた。

「可愛いね」

ゆっくりと頭を撫でると目を閉じてちゃんと教えた通りに寝る体制に入っている。

「おやすみ」

明日からまた仕事かぁ、と思いながら瞳を閉じるともそもそと隣にいる身体が動く。

「ん？どうしたの？」

顔を向けると腕を絡め取られて視線の下に髪が見える。

「そうやって寝るの？」

私の腕に自分の腕を絡めて肩に顔を埋めて満足そうに小さく息を吐いている。

しばらく様子を見ているとすぐにすーすーと一定のリズムが聞こえてきて寝たんだ、と確認する。

甘えてるのかな、可愛いなー、なんて思いながら瞼を閉じるとすぐに眠りについた。

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