いざ尋常に勝負! (麗鳴) ページ41
「直政、競技かるたじゃ。喧嘩はやらんぞ。」
秘書のアナウンスのあと、暫くじっとしていた直虎だったが、急に瞳を輝かせて直政に向かって言い放った。
直政は「は?」と呟きポカンとした表情を浮かべる。
そうと決まれば即行動!!、と言わんばかりに直虎は立ち上がり、交流会に持ってきた鞄の中を探る。
「あった」と呟き、なんと百人一首の札が入った箱を取り出した。
この間、一分程度。
直政は(大体そうだが)従姉の行動が読めずに目を瞬かせた。
「畳はあるか?」
「隣の教室にボロっちいけど置いてあった筈だ...ってまさか本気じゃねぇだろうな?あとお前チーム戦って言ってたろ。話聞いてたか?」
「私は至って真面目に話をしておるのだが...お主にはそう見えなかったか?チーム戦と言っても皆、大体は喧嘩じゃろ。私は無闇に喧嘩はしとうない。」
今度は逆に直虎が不思議そうな顔をする。
「あーあー、分かった、付き合えば良いんだろ?百人一首ぐらい付き合ってやるよ。
てかお前さ、よくそんな誰が詠んだかも分かんねぇような不明瞭な和歌なんて覚えてられるよな。」
直政は従姉の表情に耐えかねたように言う。
直虎は「”ぐらい”というのは気に食わぬが、それでこそ直政だな」と質問には答えず、嬉しそうな表情を浮かべ、隣の教室へ駆けていった。
そして、数分もかからぬうちに一枚の畳を引きずって教室へ戻ってきた。
そして百人一首の札が入った箱の蓋を開け、取り札を取り出す。
「...先程の問いの答えじゃが...不明瞭だからこそ、歴史は面白いんじゃ。お前はそれを分かっておらぬ。それに調べれば分かるぞ。今度の休みにでも一緒に資料見に行くか?
あ、そうじゃ。読手はおらんしスマホから音源を流して競技するので良いか?」
「別に何でも良い。あと調べに行くのはぜってぇついてかねぇぞ。」
直政が頷いたのを確認し、直虎はスマホを取り出す。
その間に直政は慣れた手付き(もう既に直政は文句を言いつつもかるたに何十回も付き合わされている)で札を空札と取札に分ける。
そして取札も二十五枚ずつに分け、片方の二十五枚を自分の手元においた。
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あーゆ - リョウさん» ごめんなさい… 。荒らし防止の為に変えました。もし再度編集するのでしたらご連絡ください。 (2022年12月11日 12時) (レス) id: 0982d46986 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - すみません、パスワードって変わりましたか?今までのパスを入力しても、間違っているということになって編集できないのですが……。 (2022年12月11日 9時) (レス) @page45 id: c77ecc330e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊ふゆう - 更新失礼しました! (2022年12月10日 22時) (レス) id: a30ccd45c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピのピ - 更新失礼しました! (2022年12月10日 19時) (レス) id: dd7f2196ba (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - 更新失礼致しました! (2022年12月10日 17時) (レス) @page46 id: 2a987646b1 (このIDを非表示/違反報告)
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