【合作企画】我ら空木高校栄進クラス！！２【募集中】

旗印戦が終わって４　（あーゆ） ページ4

〈月夜side〉

みんなで佐藤を袋叩きにした後。

教室に戻って、綾ねぇに手当てしてもらった。

望月がブン投げたクナイが頰を掠っちゃって…

あ、綾ねぇってのは上杉さんのことで、
つい“姉さん”って呼んじゃった延長線でそう呼ぶようになったんだ。

綾ねぇは、私を“月ちゃん”って呼んでくれる。

たまに怖い時もあるけど、今ではつい甘えたくなっちゃうオカン… (？)姉貴(？)的存在かな。

望月は、旗印で意気投合(？)して、お互い苗字呼び捨てする仲になった。

ま、詳細は望月にでも聞いて。

私が説明すると、いつの間にか別の話題になるから。

話を戻そう。

今、私は綾ねぇに治療してもらっている。

片目を瞑って、その下の頰を消毒してもらう。

怪我した時の消毒ってさ、めっちゃ痛いし染みるじゃん？

なのに、綾ねぇがやると全っ然痛くねぇのこれが。

え？綾ねぇの前世ナイチンゲールだった？

ってくらい、優しい手つきで消毒を終え、絆創膏を貼ってくれる。

私は鶴こと大祝鶴姫さんに、追加で貰った黒糖飴を口の中で転がしながら、佐藤の事を考えていた。

アイツ… 殴られてる時も、テンション高かったな… 。

めっちゃ笑いながら暴言吐きまくったたし。

正直キショかった。

これを“ハイになる”って言うのかな。

ボコされても笑うって… 薬やってるみたい。


「…… 薬？」


思わず呟いたのを、隣にいた望月は見逃さなかった。


「… お前も気づいたか。」

「お前もって… 望月、最初から気付いてたんか。」

「…… 嗚呼。大麻独特の刺激臭がしたからな。」


お互い耳元でコソコソと話す。


「… それに、空咳、加えて目の充血。麻薬常習者の特徴と一致する。」

「匂いって… そんなのした？」

「……… 私は周りと比べると嗅覚過敏だから。気にするな。」


望月は、鼻が効くらしい。

つーかそんなことより、問題は佐藤だよ。

アイツ、薬ラリってんのか… 。

ウケる。いや、真面目に考えるとウケないけど。

ポリ公にチクっても、証拠不十分でアテにされないだろうし… 。

どーしよっかねぇ。

綾ねぇに頭を撫でられながら、私はぼんやりとそんな事を考えていた。

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