鍛錬 ページ10
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『……もう無理、限界ッ』
汗をダラダラと流しながら、グラウンドの芝生の上に倒れ込む。
運動が苦手なわけではないし、部活もテニス部に入って真面目にやっていたはずなのに体は悲鳴を上げている。
明日は筋肉痛か……なんて、筋肉の疲労もなんとなくわかるレベルでしんどい。
「ほんと弱っちいなオマエ……でもまあ、やっと動きにも慣れてきたみてーだし、明日からはもっと本腰入れるぞ」
『……本腰って、どれくらい?』
「今日の2倍は転ばす」
『悪魔かッ!』
絶対Sじゃんこの人……私一応初心者なんだけど。
そんなことを思っていても、真希ちゃんはやっぱりお構い無しだ。
だからこうやって、午後の授業でもやられっぱなし。彼女から一本取るどころか、体にすら触れられていない。
『しかも竹刀使いづらいし……』
「確かに、見ている限りAは竹刀の使い方に気を取られて真希に太刀打ちすらできてなかったな」
「しゃけ」
「んなこと言っても、素手よかマシだろ」
階段の辺りで休んでいたパンダくん達の言葉に、真希ちゃんが頭を抱える。
……素手か。今まで考えてもみなかったけど、そう言えば昔から悠仁とはよく取っ組み合いの喧嘩をしていた。
もちろん物凄く腹が立った時くらいだけど、勝敗は五分五分と言ったところ。その都度じいちゃんが「うるさい」と私達を一掃していたっけ。
まあ、中学後半あたりに入ってからはお互い丸くなったおかげで、喧嘩なんかしたこと無かったけど。
とは言え、真希ちゃんは私より5cmくらい身長もあるし、もちろん力だってある。
動きも洗練されているし、成長期真っ盛りの悠仁に比べるのでは意味が無い。
「でもそうだな……とりあえず、手当たり次第に試してみるか」
『……と言いますと?』
「まずはオマエに合う戦闘法から見つけてやるよ」
不敵に笑った真希ちゃんの顔に、私の背筋は凍りついた。
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いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀛 | 作成日時:2022年1月29日 15時