嘘も方便 ページ46
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職員室から自室へと戻り制服を脱ぎ捨てスポーツウェアへと着替えた私は、五条先生に言われた通り急ぎ足でグラウンドの方へと向かっていた。
……さっきの先生の態度からして、きっと何か勘づいているのだろう。
私があいつと縛りを結んだこと。どんなに秀逸な嘘をついて神を騙せたとしても、たぶん先生だけは騙せない。
あの宝石みたいに輝く碧眼が、全てお見通しのはずだ。
「！、ツナツナッ！！」
後々面倒になるのは嫌だな……なんて人並みの不満を抱きながら重たい足を動かしていると、グラウンドの方に私を指さす狗巻くんの姿が見えた。
彼は元から大きな瞳をさらに見開いて、驚いたように私の方へと駆け寄ってくる。
そしてそれに釣られるように、パンダくんや真希ちゃん達もこちらに顔を向けた。
「Aっ……！オマエ、もう大丈夫なのかよ」
『……うん、まあ。だいぶ落ち着いた』
目をぱちくりさせ、稽古用の武具を持ちこちらに歩み寄ってくる真希ちゃんに苦笑いしながら言えば、彼女は呆れ顔のままほんの少しだけほっとしたように笑った。
やっぱり、色々心配をかけてしまっていたらしい。
昨日は連絡もできなかったし、ずっと部屋に引きこもってたからな。
「た、たかな……？」
『ん、大丈夫。心配かけてごめんね、狗巻くん』
「……無理してないか？A」
『あはは、パンダくんまでやめてよ。本当に平気だから』
私は空元気を装い、二人の肩を軽く叩く。
きっと私が今この場に立っていられるのは、あいつとの「約束」に期待してしまっているからだ。
悠仁を殺した張本人に頼るのは不本意ではあるが、今の私にはそれくらいのことしかできない。
でもこれを言ったらまた皆に心配をかけてしまうだろう。
……だから言えない。悪いと思っているからこそ、嘘をつかないといけない事だって私はあると思っている。
「ま、来たからにはみっちりシゴいてやるからな。覚悟しとけよ？」
『ふっ、真希ちゃんらしい……元気出たよ、ありがと』
「……おう」
心の中にぼんやりと芽生えた罪悪感を殺しながら、照れ隠しに顔を逸らした可愛らしい真希ちゃんに向けて微笑んだ。
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いか焼き - さ い こ お です！この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (
レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……！今後どうなるかとても楽しみ……！更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ！これからも、作者さんのペースで頑張って下さい！ (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！ (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年1月29日 15時
