まどろみ ページ33
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＿＿＿＿＿＿＿＿2018年・7月 AM8:31
「おかか？」
『うん、大丈夫よ。狗巻くんは先に行って、補助監督の人に話付けといて』
「しゃけ」
昇り始めた朝日を薄い雲が覆う曇天の中、私は自販機の前で狗巻くんの背中を見守りながら目当てのジュースに視線を移す。
昨日言われた通り、今日私達はちょっとした任務へと出かけることになっている。
集合時間は8:45。まだ少し余裕があるということで、私は道中自分達が飲むための飲料水を買いに来ていた。
もちろん、今日一日お世話になる補助監督の人にもお茶くらい買っていくつもりだ。
適当に選んだ水とお茶のペットボトルを抱えながら、私はチャリンと音を立てて出てきたお釣りを取る。
「あれ、姉ちゃん。こんな所で何してんの」
『……悠仁？』
不器用な手つきで取り出したお釣りを財布にしまっていた時、背後から久しぶりに聞いた中低音が私を呼んだ。
それに気が付き振り返れば、ぽかんとしたような顔をした弟がこちらを見つめて立っている。
『何って、飲み物買ってるの。あんたこそどうしたの？』
「いや、俺もコーラ買いに来たとこだけど」
悠仁の手に握られた一枚の百円玉を見て、私は頷くように納得した。
こんな朝からコーラなんていかにも学生らしい好みに、少しだけ安堵する。
久しぶりに顔を合わせたから少し大人になっているのかと思ったけど、良い意味で何も変わらない弟に柄にもなく安心したのだ。
「それ重くね？俺持ってこうか」
『このくらい一人で大丈夫よ。私この後任務に行かないといけないから、そろそろ出ないといけなくて』
「へえ、スゲェじゃん！なんか技とか使えるようになったの？」
『ううん、まだまだ練習中。使えるようになったら、真っ先に見せてあげるからね』
「おう、期待しとく！」
……こちらに向かい、お日様のような眩しい笑顔で言った君の頭を、この時一度でも撫でていてあげたなら
私は泣かずに、君を送ることができただろうか。
「行ってらっ、姉ちゃん！」
『……ん、行ってきます』
·
記録___2018年7月
西東京市
英集少年院
同・運動場上空
特級仮想怨霊・名称未定
その呪胎を非術師数名の目視で確認。
緊急事態のため
高専一年生3名が派遣され
内1名・死亡
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いか焼き - さ い こ お です！この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (
レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……！今後どうなるかとても楽しみ……！更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ！これからも、作者さんのペースで頑張って下さい！ (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！ (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年1月29日 15時
