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無自覚 ページ28

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『あー、動けない』


「しゃけ……」






翌日の昼過ぎ、私と狗巻くんは晴れ渡る空の下で重たい胃を抱えながら芝生の上に寝転がっている。

昨日言っていた通り、真希ちゃんとパンダくんは朝早くから補助監督の運転する車に乗って任務に出かけた。


残された方の私達はというと、現在体術の授業のために出てきたグラウンドにて、ケーキの食べすぎで荒れに荒れている胃袋を宥めながら日光浴中だ。


ちなみに先ほど二人しておにぎりを一つ食べたのだが、半分くらい食べたところでやめた。






『もうしばらくケーキはいいや……』


「しゃけしゃけ」


『今度は普通に、美味しいもの食べ行こうね……お寿司とか』






歳の割に老いている私の胃袋には、そのぐらいの方が優しくて良い。

こんなことになるなら、金輪際一度にケーキ3つを食べるなんて無謀な真似は絶対にしないと決めた。


パンダくんは胃もたれとかするのか分からないけど、真希ちゃんは任務先で悲鳴を上げてそうだ。

それを考えるとちょっとだけ面白いなと思ったりもするので、彼女には本当に申し訳ないことをしたと思っている。






「あらまあ若人達、二人揃って何してんの?」


『……見て分かりませんか。お日様の力を借りて消化を促しているんですよ』






しばらくすると、日向ぼっこをしていた私達のもとにいつも通り軽い雰囲気をまとった五条先生がやってきた。


そもそも私達の胃もたれの原因を辿れば、彼に行きつくのだ。

あれは「お祝い」だったのか、それとも新手の「嫌がらせ」だったのか。


この人の場合、どちらの意味も含んでいるような気がして逆に怖い。






『先生のおかげで、昨晩私達は生き地獄を味わいました』


「ツナマヨ」


「え、僕なんかしたっけ」






私たちの言葉を聞くなり、先生は身に覚えがないとでも言うように潔く首を傾げる。


……結果、まさかの無自覚だった。なんなら一番タチが悪いタイプ。






「おかかぁ」


『……奇遇だね狗巻くん、私も今おんなじ気持ち』


「もしかして、先生悪者になってる感じ?」






いや、当たり前だろ。


五条先生の言葉に、私達は問答無用で首を縦に振ってやった。







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二兎追うもの→←胃もたれ



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いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:古椎エゴ | 作成日時:2022年1月29日 15時

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