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女子トーク ページ42

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どうやら困り果てた私に気が付いたのか、先生は一瞬考えるような素振りをしてから、今度は私の後ろに回り込むと先程の駅前の時と同じように私の背中を軽く押し出した。

足が自然と前に進み、意図せず野薔薇ちゃんとの距離が近くなる。






「違う違う!この子は悠仁と一緒に編入して来た二年生さ。ほらA、自己紹介してあげて」


『あ、はい……虎杖Aです』






先生に促されるまま、私は簡潔に自己紹介を済ませる。

軽く頭を下げた私を見て、野薔薇ちゃんはなぜか驚いたように目を丸くした。

こちらを凝視する瞳がぱちぱちと数回瞬きされ、女の子らしい長い睫毛が上下に動く。






「スキンケア、何使ってるんですかッ!」


『……え』






まさかの返答に、私はそんな間の抜けた声をもらした。


てっきりガン飛ばされるもんだと思っていたので、そのために構えていた体の力が一気に脱力する。


スキンケア……それは私が愛用しているものの話をしているのだろうか。

向けられる期待の眼差しに、今度は違う意味で返答に迷う。






「どうやったらそんなに綺麗なお肌になれるのッ!やっぱりお高い化粧水使ってるんですか!?」


『え、いや……普通に薬局で買えるやつだけど』


「じゃあ何か独自の美容法があるとか!」






教えてくれと言わんばかりに目をキラキラさせて詰め寄る野薔薇ちゃんに、私は一歩後退りする。


後輩との距離感て、どうすれば良いんだっけ……?

昨日まで送っていた日常生活の方法を、度重なる驚きと疲労により完全に忘れてしまったらしい。






『先生、助けてくださいッ』


「後輩に慕われる良い先輩じゃない。良かったね」


『この薄情者ッ!!』






こちらを愉快そうに眺めていた五条先生は、それだけ言うと全て私に丸投げした。


おい目隠し、頼ったんだからせめて笑ってないで泣けや。







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悪い大人→←紅一点



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いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月22日 17時

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