松野家三男やってます。9

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キメ顔をするカラ松にハイ松は苦笑い、
チョロ松は頬杖をついて真顔で見ていた。



「茨城って確か国営ひたち海浜公園が有名だよね」



『そう。庭園が綺麗なんだって。
茨城って梨が名産物だからお土産それにしようかな』



「梨！？本当か！？」



「見事に食い付いてる」



『あはは…着いたら食べようか』



梨という単語を聞いて食いつくカラ松。

呆れるチョロ松と苦笑いするハイ松は
梨に食いつくカラ松を見て現地で梨を食べることを提案してくれた。
まだ茨城まで着くまで時間は掛かりそうだ。



『それにしても…昼前になってもまだ寝てたとは…』



「いつもの事だろ。僕達って」



『……こんな当たり前が怖くなってくる』



今は10時過ぎ。
それでもまだぐっすりと寝ていた様子の4人。

ニートな彼らにとっては当たり前のことだが、
社会人ではもう仕事に取り組んでいたり、
学生だと勉強に励んでいる時間だ。

昼過ぎまで寝ていることが当たり前となっていた
チョロ松とハイ松は少し落ち込み気味だった。



「ハイ松、チョロ松。今は旅行中だ。
そんなことを考えては折角の旅行が楽しめなくなるぞ？」



『た、確かにそうだね…！折角の旅行だし！』



「…ま、カラ松の言う通りか」



『それじゃあ折角なのでもう1枚…』



カラ松の言葉に賛同して兄弟たちの事は忘れて
旅行を楽しもうとハイ松がカメラを構えると
カラ松はサングラスを掛けて足を組んで頬杖をついた。



「さあ、ハイ松。遠慮なく撮るが良い！」



『お、オッケー！』



「なんのポーズだよ」



ｰｰｰｰｰｰ




『おぉ…！ここが茨城…！』



「取り敢えず、帰りの新幹線確認してくるね」



『あ、ごめんチョロ松。ありがとう』



時刻表を確認しに行くチョロ松を見送り、
人が通り過ぎるのをボーッと見詰めるハイ松。
その隣ではカラ松も腕を組んで立っていた。



「ハイ松は行きたいところあるか？」



『え？行きたいところ？なんで？』



「愛するブラザーの意見を尊重するのが兄としても務めだからな…」



『意見を…尊重』



ふむ、と顎に手を添えて考え込むハイ松。
急に考え込むハイ松にカラ松はサングラスを外して服に掛けて彼を見た。

すると、丁度チョロ松が戻ってきた。



「19時15分の新幹線乗れば20時過ぎには着くから
19時にこの駅に着けば良いって」



「チョロ松、何処か行きたいところあるか？」



『あるかい？愛するブラザー』



「この数分で何があった」

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