松野家三男やってます。9

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『(気、遣わせちゃったかな)


それじゃあ後1人…』



カラ松が一緒に行ってくれるということで決まったが、問題なのがあと一人。
どうしようか悩んでいると丁度戸が開いて、
後ろを振り返れば小さい袋を持ったチョロ松が立っていた。



「あれ？カラ松とハイ松兄さんだけ？
てか、2人が一緒に居るの珍しいね」



『…………ねえ、チョロ松。茨城興味無い？』



「は？」



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ




「ほ、本当に良かったのか？ブラザー達に言わなくて…」



「言ったらうるさいでしょ、アイツら。
特におそ松兄さんがうるっさい」



『チョロ松に同意』



ハイ松がチョロ松を日帰り旅行に誘ったところ、
すぐにグッドサインが出たのでその翌日。
新幹線に乗りながら心配そうにカラ松が言うと、
チョロ松が肩を竦めて返し、ハイ松はデジカメを起動させながら同情する。



『それになんか内緒で旅行って悪いことしてるみたいで楽しいし！』



「いや、そこは分からん」



『えぇ？！』



弾んだ声で言うハイ松だが、チョロ松がイマイチ彼の言葉には
共感出来ずに首を振って返すと驚いて思わず持っていた
デジカメを滑らせて落としそうになるが
膝の上に転がったので壊れずに済んだ。



『写真撮っていい？思い出作りに』



「そのデジカメどっから持ってきた？！」



『これ僕のデジカメ』



「嘘でしょ！？いつ買った！？」



『秘密〜』



シレッとデジカメを所有しているハイ松に、
どのようにして買ったのかさっぱり分からず、
いつ買ったのか尋ねるが濁されてしまう。

そんな2人の姿をカラ松は微笑ましそうに眺めていた。



『カラ松兄さん、写真撮っていい？』



「ノープロブレム！カッコよく撮ってくれよ？」



『えぇ！？ちょ、チョロ松どうしよう…！
カッコよく撮る方法分からない…！』



「普通に撮れば良いから」



新幹線の中で両手を広げて神に崇めるようなポーズをするカラ松。
ハイ松は慌てて隣にいたチョロ松に話し掛けるが、
チョロ松は動じずに向かい側のカラ松を呆れたように見ていた。

チョロ松の言葉に頷いてハイ松は写真を撮った。



「カッコよく撮れたか？ハイ松」



『チョロ松、どう？』



「うん、かっこいいかっこいい」



ハイ松がデジカメに映るカラ松を見せると、
チョロ松は若干棒読みで話す。



『カラ松兄さん、カッコいいって！』



「フッ…カメラ写りでもカッコいい俺…」

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