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*


─そして、チョロ松が家を出ていく日。

おそ松以外の七人はチョロ松に最後の見送り。
家族から貰った大切な就職祝いの宝物を車の中に入れる。
チョロ松は無理矢理笑顔を作って皆に言い、
松代はチョロ松の身体を心配しており、松造はチョロ松の肩に手を置いた。

号泣するトド松に軽い話をして終える一松、
身体を大きく動かしながらチョロ松の言葉に頷く十四松、
カラ松はサムズアップをしてチョロ松に別れの言葉を述べていた。



『チョロ松、身体には気を付けるんだよ』



「うん」



『何があってもチョロ松の味方だから』



「うん」



『チョロ松、新しい環境で頑張ってね』



「うん」



一つ一つ丁寧な言葉を包み込むような声で言うハイ松。
そんな兄の言葉にチョロ松は下に俯いて返事をする。
彼の顔はやはりとても寂しそうだった。

一通り全員から別れの言葉を聞いた。



「………」



チョロ松は2階を見る。

2階にはおそ松がいる。
しかしおそ松はチョロ松に別れの言葉もなかった。
彼のズボンの尻ポケットにはあの時書いた封筒が入っていた。

そしてチョロ松は車に乗り込み全員に手を振りながら家を出た。

カラ松、ハイ松、十四松、松代、松造は手を振り返し、
一松とトド松は見送るだけだった。



「…………」



トド松は決心が付いた表情で松野家へと戻って行った。









送迎をしてくれたのはなんとイヤミだった。



「何故!何ー故ミーがこんな面倒臭いことを!あー!面倒臭い!
あーあーあーあーーー!!!」






─トド松は2階へとゆっくり上がっていく。




「就職?ハッ、どうせ続かないザンス!
途中で投げ出すのがオチザンス!!」



名前の通り厭味ったらしい口調で嘲笑い出すイヤミ。




─トド松は丸めた雑誌を持ちながら2階で寝転がっている
おそ松のところへとゆっくり近付いていく。





「人間は変われない生き物ザンス!
希望は捨ててちょーよ!うひょひょひょひょ!!



……っ!」



イヤミはチラリとチョロ松を見る。
何か言い返して来ると思っていた。…そう思っていたのだ。



「っ、ぅ…ッ!ぐ、っ…」



チョロ松はただ涙を流して泣いていた。
兄弟との別れが余程辛かったからだ。






─バシーーンッ!!!!




トド松は丸めた雑誌を使っておそ松をシバいた。
松野家に響き渡るほどの音で。

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びたー(プロフ) - ゆっこさん» コメントありがとうございます。おそ松さんハマって自分のことのように嬉しいです😊この作品を読んでくれてとても嬉しく思います!ありがとうございます🙇亀更新ですが、これからも頑張っていきます。よろしくお願い致します🙏 (2022年9月24日 21時) (レス) id: 8be8dbacef (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 最近おそ松さんにまたハマり始めて占いツクールを適当に漁ってたんですが良作にあえて一気に見ちゃいました。これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2022年9月24日 18時) (レス) id: cd9fc5524f (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - くりおねさん» コメントありがとうございます😊はい…!遂に続編来ちゃいました!これからもよろしくお願いします🙏 (2022年9月23日 16時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
くりおね(プロフ) - もう続編か...!! (2022年9月23日 15時) (レス) @page49 id: a3e7c7059c (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - くりおねさん» 感情的になって言葉を崩してしまうハイ松くんを書いて不安でしたが、衝撃を与えてくれて気恥ずかしいです😌💞ありがとうございます😊 (2022年9月22日 13時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年9月14日 21時

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