37 ひさしぶりにイチャイチャ ページ38
「ご両親に挨拶をしにきた」
「……ハ?」
「概ねオッケーみたいだよ。キキョウさんには大反対されたけどね」
「ハァ!?いつ来たんだよ!!」
「先月。ゴンたちは門が開けられるようになったら屋敷に来るって」
「ハァア!?聞いてねえ!!」
「みんな隠してたんだろうね」
キルアはなんだかバカらしくなってきたのか、その場にしゃがみこんだ。わたしも隣にそうする。彼は言葉をさがすみたいに視線を泳がせた。
「……えーと、ほら、遠かったろ」
「うん。乗りつぎ面倒だった。あと山を登るの大変だった。こんな家はじめてだよ」
「だろうな……」
「あー楽しかった」
「楽しい?」
「好きなひとの生まれ育ったところなんだよ?面白くないわけない」
キルアは泣きそうな顔で笑いながら、「お前はほんと、」って何かを言いかける。わたしの頬に壊れものみたいに触れる。キルアの目がうるんで光ってわたしが好きだと叫んでいる。
「お取り込み中、失礼するぞ」
瞬間移動か?ゼノさんが音もなく横に立っていた。父親に呼ばれたキルアは腰を浮かせて消えていった。置いてかないで。2人きりはキツイって。ゼノさんに手招きされて、戦々恐々ついていく。庭に出て、山をおりて、そこにはミケが待っていた。
「ミケ。こいつはAだ。A」
ゼノさんはゾルディックの番犬にわたしの匂いを覚えるよう命令する。この世のものとは思えないほど獣と血の匂いを放っていて、生きた心地がしない。
「ご存知の通り、わたし、ゾルディック家の人間じゃありませんよ」
「遅かれ早かれ、そうなるじゃろ」
「……認めてくれるんですか?」
「その言い方、認めてほしくないのかね」
笑われた。ぶんぶん首を横にふる。
「うちの誰が何を言ったか知らんが、すくなくともワシは、Aにキルを任せたいと思う」
「……どうして?」
「Aを見たとき、シルバがキキョウさんを連れてきた日のことを思い出したんだ。ワシの勘は当たるぞA」
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有希(プロフ) - mayaさん» うわあああああ!!!!!(mayaさんへの感謝と次章を読んでいただける喜び)これからもどうぞ本作をよろしくお願いします! (2021年4月5日 20時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - フェルメルトさん» 初めまして、フェルメルトさん!コメありがとうございます。今後とも誤字脱字を見つけられたらソッと教えていただけると嬉しいです。 (2021年4月5日 20時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - うわああああ(感嘆と次回への期待、そしてここまで書いてくれたことへの感謝の叫び) (2021年4月5日 20時) (レス) id: e6b38507b3 (このIDを非表示/違反報告)
フェルメルト - スミマセン!!一話のエラベーターってもしかしてエレベーターじゃないですか?ほんとスミマセン (2021年4月5日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ゾル家にやさしくされるよりぼこされたい、こんな猟奇的なユメショをリアルで好きだと言ってくれてホントに嬉しいです。弊社の夢主はゾル家に対してMなんで何されても喜びます。私個人としてもこの作品が大好きなので、どうぞ選挙編までお付き合いください! (2021年4月1日 21時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有希 | 作成日時:2021年2月11日 8時