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△ 思春期男子をもてあそぼう ページ14

買い物をかねたデートからの帰り道、通り雨にあった。わたしたちはキャアキャアと忘れ去られたような廃屋に駆けこんだ。待てど待てど雨足は強くなる一方だった。



 風で吹きこんでくる雨から逃れようと、上がり框……玄関の段差……に、腰をおろした。床は埃にまみれて黒ずんでいたけど、ワガママを言ってられなかった。



 それからしばらく、わたしたちは黙っていた。雨粒の白いカーテンに、ふたりきりで世界から切り離されちゃったみたいだ。お喋りな善逸だけど、今日はなにも喋らない。だからわたしもそうした。わたしたちはなにも言わず、傍にいるだけだった。そういうところまで、やってきていた。




「鳴神の


少し(とよ)みて


さし曇り


雨も降らぬか


きみを留め」






 ふたりでボンヤリと灰色の空を眺めていると、善逸がポツリとそう呟いた。鳴神……って、神様が鳴らしていたとされる、雷のこと?




「1000年前の和歌だよ。ひとの気持ちは変わらないもんだね」

「どゆ意味?善くん」




「雷がちょっと鳴り響いて、雨が降らないかな。
そうすれば、あなたをここに留めておくことができるのに」



ときめいちゃった。
雨は止まない。




 わたしがへくちっとくしゃみをすると「Aちゃん、冷えちゃった?」って善逸が心配そうに顔を覗き込んでくる。そうかもね。雨水を吸って重くなった着物を脱いで、ぎゅっと絞ってみる。ちょっと雫が垂れるだけで、あんまり効果はない。



「体温がうばわれちゃう、善逸も脱いで」



 善逸は、うすい白の着物1枚になったわたしに、もうかわいそうなくらい赤くなって、うろたえていた。わたしの濡れそぼった黒髪に、くちびるを震わせて、視線を泳がせている。雨は止まない。



「……見たいの?善くん」



 彼の視線の先をたどると、やっぱり男の子で、うすい布地にくっきりとブラの輪郭が浮いていた。この布1枚を脱ぎさってしまえば、形はもっとわかるだろう。

△ いけないことをしようか ※→←△ 夜這いなんて大胆ね



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あき - うわぁ、HUNTERHUNTERも書いてくれるなんて……🥹🥹 (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 099b645bba (このIDを非表示/違反報告)
まっひぃ - 善逸のそういう所好きだぁー!😁かわええ (2021年11月11日 15時) (レス) @page48 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみちゃんDX(プロフ) - 今まで読んだ中で一番好き! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 0e9cb43b28 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ割り人形 - わあわあ好きだあ途中どうなったのってなったけどちゃんとハピエンで良かったああうわん嬉しすぎて嬉し涙が…というかヒロ◯カの小説も書いていらっしゃるなんて!今すぐ読んできます!あ、この作品めっちゃ良かったです!好きです!(唐突の告白 (2021年9月12日 7時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 sud .(プロフ) - とっても素敵でした。 (2021年9月9日 15時) (レス) id: a463316156 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有希 | 作成日時:2019年10月4日 22時

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