93 ゾル家流のプロポーズ * ページ48
「一昨日したじゃん」
「……我慢してんだよ、これでも」
そうでっか。ハイペースだけどしょうがない。これも彼女の務めだもの。わたしは無理やり自分の気分を変えて、キルアの前にひざまずいた。ベッドがギシリと音を立てて雰囲気たっぷりだ。「上手くなった」なんて褒めながら頭を撫でてくる。あんまり嬉しくなかった。ひと仕事を終えると「うげ」ってティッシュに吐き出した。「飲んでくれねえの？」って残念そうだった。AVの見過ぎだ。まず自分で味わってみろ。キスしてやると「うげ」って顔をしかめた。
「……あ、ここも勝った」
「え？」
「いやらしいことができるのはわたしの特権。キルアは次の女の子とはできないだろうから」
「バカか。意味わっかんねえけど、Aの次の女なんていねえよ」
「嬉しいこと言ってくれるね」
キルアはわたしの返事に不満そうだった。「Aはたまによくわかんないことを言う」って呟いた。急に抱きしめられて、なすすべなく背中から倒れる。わたしはキルアの裸の背中に手を回した。ホテルの前の道から酔っ払いの歌が聞こえる。何だかおかしくて笑えてくる。
「ふふふ。こんな意地の悪いこと考えていたら地獄に落ちるかも、わたし」
「え？Aも？」
「Aも、って何よ」
「考えてみろよ。死後の世界なんてこれぽちも信じてねぇけど、もし存在していたらオレみたいな人間はまず地獄行きだわな。こんなに人を殺してきておいて、まともに懺悔もしてないとくると。
だけどゴンは確実に天国に行くだろ。そうじゃなかったら審判にオレが直談判してきてやる。
そんで、ひとりじゃつまんねえだろうなって思ってたんだよ」
「つまんねえって……地獄に落ちておいて余裕かい」
「生き地獄なら散々味わってきたからな。それのちょっとキツい感じだろ？」
「キルアが言うと言葉の重みがちがうな……」
「地獄に落ちるならAとがいい」
それって、プロポーズ？
そう本気で聞きたくなるくらい真剣で、熱烈な言葉だった。もしそれがプロポーズなら、わたし、喜んで受けるよ。わたしはここに誓う。
【 2章 】 完結
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有希(プロフ) - mayaさん» いやほんとそれな…！！イル兄は他のどんな作品にもいない魅力的なキャラをしてるから一生バッキュンされてるわ…これからも出来る限り出演していってもらいたいね…！ (2021年7月10日 5時) (
レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - 表現というか、もはや思ったこと馬鹿正直にぶちまけちゃってるね！強引、配慮がない、しつこいの全てがつまってるイルミに一生バッキュンされてる…… (2021年7月4日 14時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - mayaさん» あのシーン個人的にめちゃくちゃ好きなのでmayaちゃんにギュンしてもらえて嬉しい笑笑 イル兄に甘くて優しいセリフとか言わせたくなくて、それイル兄じゃないし、ああいうぶっとんだ表現をしてくるのがイル兄だろ（偏見）！っていう私の性癖が爆発してたね！ (2021年7月4日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - ん’’ん’’！！イルミさんにギュンです…あんなことを言わせるなんて……有希ちゃん強者…！！ (2021年7月3日 16時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 名前さんさん» いつもコメントしてくださいよォォォッ！！（血涙）嘘です。今回もらえただけでとても嬉しいですありがとうございます！そんな風に本作のことを言ってもらえると励みになります。どうぞ完結まで末永くよろしくお願いします！ (2021年6月12日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年4月9日 18時
