80 団長の顔面が最高 ページ35
旅団はノブナガとわたしたちだけを置いて廃ビルから出て行った。ノブナガはドアの前にどっかり腰をおろして、隙というものがおよそなかった。月が頂点にさしかかったところで、キルアに限界がおとずれる。
「オレが囮になるから……ゴンとAだけでも逃げろ」
「バカ言うな」ってゴンがキルアに拳骨をおとした。わたしは無言のままヒールの踵で足を踏んづけてやる。
「何すんだお前ら！」
「自己犠牲なんて許さない」
「だって……他にねえだろ！」
「ダーリンがそのつもりならわたしも囮になるわ。ふたりがかりでゴンを逃がそう」
「ふざけんな！Aも逃げて生きるんだよ！」
「自分勝手だなぁ。だからわたしと身内以外にモテないんだよ」
「いま関係あるかその話！」
3人向かい合ってケンカするわたしたちを見てノブナガは笑い声をあげる。そうこうしているうちにゴンは思い出す。この状況を打ち破るための秘策。「ヨコヌキ」だ。
ゴンが開けた穴に続けてとびこんだ。そこまではよかった。瞳が黒いため夜目の効かないわたしは瓦礫につまづいた。その先に待ちうけていたは階段で、「ああああ」と転げおちた。これだけの音を立てたら見つかるのも早かった。
「……逃げ遅れました」
ボロボロになって仰向けのまま動けないわたしに「強いのか弱いのかハッキリしろい」って怒った。ノブナガはわたしを担いで、今しがた逃げてきた部屋に戻した。ダサい。ダサすぎる。黒歴史決定。こんな状況にあるけど、自分よりもキルアの精神状態が心配だ。わたしのこととなるとすぐ闇堕ちしちゃうから。
*
「ノブナガにしては、ずいぶん派手にやったな」
幻影旅団が団長──クロロ=ルシルフルは、わたしの顔を一瞥した。きっと彼はわたしが拷問されたと思っている。だけど彼の眼差しに慈悲の色などない。血まみれの少女の顔に、何の感慨もないのだ。何にも。
黒目がちの瞳とかち合ったとき、わたしの倫理は失われる。クソガバになる。その白い手で心臓を握られているみたいだ。ヒソカと同じ。なんてうつくしいひとなんだろう。
81 凄腕の暗殺者（元）→←79 フェイに捕まりたい人は挙手
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有希(プロフ) - mayaさん» いやほんとそれな…！！イル兄は他のどんな作品にもいない魅力的なキャラをしてるから一生バッキュンされてるわ…これからも出来る限り出演していってもらいたいね…！ (2021年7月10日 5時) (
レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - 表現というか、もはや思ったこと馬鹿正直にぶちまけちゃってるね！強引、配慮がない、しつこいの全てがつまってるイルミに一生バッキュンされてる…… (2021年7月4日 14時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - mayaさん» あのシーン個人的にめちゃくちゃ好きなのでmayaちゃんにギュンしてもらえて嬉しい笑笑 イル兄に甘くて優しいセリフとか言わせたくなくて、それイル兄じゃないし、ああいうぶっとんだ表現をしてくるのがイル兄だろ（偏見）！っていう私の性癖が爆発してたね！ (2021年7月4日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - ん’’ん’’！！イルミさんにギュンです…あんなことを言わせるなんて……有希ちゃん強者…！！ (2021年7月3日 16時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 名前さんさん» いつもコメントしてくださいよォォォッ！！（血涙）嘘です。今回もらえただけでとても嬉しいですありがとうございます！そんな風に本作のことを言ってもらえると励みになります。どうぞ完結まで末永くよろしくお願いします！ (2021年6月12日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年4月9日 18時
