49 ヒソカの部屋 ページ4
受付のお姉さんに教えられたルームナンバーをダメ元で訪れると「やあ♡」ってドアが開いた。
「キミから会いに来てくれるなんて嬉しいね♡」
「電話でないから……」
じゃなきゃ、わざわざ会いに行かない。チャットで話すには面倒な話題だった。ヒソカと会っていることがバレたらまずいし、促されるまま部屋にあがった。この危険行為をレオリオに言おうものなら、確実に半殺しにされるだろう。後悔ならあとでタップリしよう、聞きたいことはただ一つ。
「異世界から人間を召喚する念って、聞いたことある?」
たとえヒソカは知っていたとしても、わたしにウソをついて隠すかもしれない。そういう男だ。だからアテにはしていない。ヒソカはトランプを切りながら、目をぐるりと回して逡巡する素振りをした。
「ないね♧」
「そう。ならいいや」
真偽はどちらでもよかった。やっぱり情報を得るには、ゴンのお父さんレベルの人物にあたるしかないか。ハンター協会に近づくためには、と頭を悩ます。隠してもいないし、わたしの正体を明かしておいた。「中二病ってヤツかい?……冗談だよ♡」奇術師はうっそり笑う。高度800mの夜景を見おろしてオシャレにワインをくゆらす横顔は、悔しいけど様になる。
「イルミに聞いてみたことはあるの?」
「え?イルミさん?」
「うん♤キミ電話番号を持ってるはずだし◇」
「いや登録した覚えは……」
冗談を言うヒソカに確認させるよう、携帯をひらいて電話帳をスクロールしてゆく。あ。わたしは画面を凝視したまま固まる。本当だ。そこにはイルミさんの名前が表示されていた。
「……いつの間に」
ヒソカはクックッとおかしそうに肩を揺らす。きっと電話番号を入れるくらいだから、GPSだって取りつけられているだろう。やっぱりキルアとわたしは常にゾルディックの監視下にあって、箱庭の中で踊らされているに過ぎないのか。
「……急に電話するなって、携帯から針が生えてきて殺されそう」
「ありそうだね♡」
否定してくれよそこは。
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有希(プロフ) - mayaさん» いやほんとそれな…!!イル兄は他のどんな作品にもいない魅力的なキャラをしてるから一生バッキュンされてるわ…これからも出来る限り出演していってもらいたいね…! (2021年7月10日 5時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - 表現というか、もはや思ったこと馬鹿正直にぶちまけちゃってるね!強引、配慮がない、しつこいの全てがつまってるイルミに一生バッキュンされてる…… (2021年7月4日 14時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - mayaさん» あのシーン個人的にめちゃくちゃ好きなのでmayaちゃんにギュンしてもらえて嬉しい笑笑 イル兄に甘くて優しいセリフとか言わせたくなくて、それイル兄じゃないし、ああいうぶっとんだ表現をしてくるのがイル兄だろ(偏見)!っていう私の性癖が爆発してたね! (2021年7月4日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - ん’’ん’’!!イルミさんにギュンです…あんなことを言わせるなんて……有希ちゃん強者…!! (2021年7月3日 16時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 名前さんさん» いつもコメントしてくださいよォォォッ!!(血涙)嘘です。今回もらえただけでとても嬉しいですありがとうございます!そんな風に本作のことを言ってもらえると励みになります。どうぞ完結まで末永くよろしくお願いします! (2021年6月12日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有希 | 作成日時:2021年4月9日 18時