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113 びーえるかい ページ20

「なんだか裏切られた気分だわさ」……と、ビスケが当たってきた。わたしがキルアを止めなかったのは予想外だったらしい。ゴンのためなら傷つくことも厭わない姿勢に「びーえるかい」ってビスケがツッコんだ。あながち間違いじゃないほど、あのふたりは強い絆で繋がっている。当たり前だけど、そこに入り込む余地はない。



「いつかアンタよりゴンのこと優先するわよ、あの男」

「まあそうでしょうね」



 そりゃあわたしにもプライドはあるから、ちょっとは悔しいけど。ゴンはキルアにとって神様のような存在なんだ。わたしごときが敵うわけがない。でも、それでいいと思う。



「ずいぶん物分かりがいいのね。アンタもしかしてキルアのことそんなに好きじゃない?」

「まさか……わたしはキルアの重荷になりたくないだけだよ」

「もっとワガママを言えばいいのに」



 ビスケによしよしされる。慰めてくれる師匠がかわいくてほっぺにチューすると「バッカじゃないのアンタ!!」って真っ赤になって引っ叩かれた。凶暴な照れ隠しだな。



 こうして一坪の海岸線を無事手に入れることができた……負傷者を何名か出しながら。ビスケがキルアの担当で、わたしはヒソカを手当てしようとする。「いらない◇」って突っぱねられた。



「痛くないの?」

「痛いよそりゃ♧」

「痛覚あるんだね」

「ひどいな♡」



 目を背けたくなるほど変な方向に曲がってしまった指は赤く腫れ上がっていて、ふつうの人間なら発狂していてもおかしくないと思う。やっぱりヒソカはすごいな。間近で鋭い三白眼を見てみると不思議な色合いをしていた。


「A」

「なに」



キスされた。



「……え?」

「そんなに顔を近づけてくるから◇」



 まったく理由になってないんですけど。顔が近いとキスしないといけない文化でもあるのか。「あ、キルアがこっち見てる◇」とか言うから「違うんだこれは!」って浮気男のセリフを叫んだけど、キルアはちっともこっちを見てなかった。ヒソカは睨まれても痛くも痒くもないって風に、くっくっくと喉を鳴らした。

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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます!完結まで楽しみにしています! (2021年11月14日 17時) (レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます!最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります!次章もよろしくお願いします! (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです!また頑張ってください! (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有希 | 作成日時:2021年7月16日 18時

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