104 銀髪の悪魔 ページ11
ピーナッツは淡々と語りだした。怒りとか憎しみとか、何の感情もこめずに。そんな領域はとっくに通り過ぎていたんだろう。
「俺はゾルディック家にいとこを殺された」
「いとこ……」
「今でも忘れられない。俺は今年で18になるけど、当時は10歳だった。
いとこが俺をバーガー屋までピカピカの車で連れてってくれた。母さんと父さんに内緒で。俺は嬉しかったよ。バーガー屋のオレンジの看板だけが暗闇のなか場違いみたいに光ってた。助手席の窓からいとこが紙袋を持って出てくるのが見えた。そのときだ。
銀髪の男とすれ違った瞬間、いとこはぶっ倒れた。雪のなかに、音もなく。ヤツは何かを花壇に投げすてると、バーガー屋のドアを押し開けた。そうしてコーヒーを飲みながら店を出てくると消えちまった。俺は銀髪はやした悪魔か幽霊でも見たのかと思った。
ようやく震えがおさまったころに、俺はゆっくり車のドアを開けて、恐る恐る見に行った。いとこは死んでいた。花壇に捨てられていたのは心臓だった。
そのときの俺の気持ちがわかるか？そして、このグリードアイランドで、あの悪魔と同じ銀髪を見たときの、ゾルディックという名を聞いたときの、俺の気持ちが理解できるか？無理だろうな」
きっとピーナッツが見たのは悪魔でも幽霊でもなくてシルバさんだ。「ノム兄が何をしたって言うんだよ」ってピーナッツはつぶやいた。彼がどんな罪を犯したのかはわからないけど……そもそも犯してないのかもしれないけど……どこかの成金野郎の恨みを買い、ゾルディック家に暗殺を依頼されたのはわかる。
「……キルアは……」
「あ？」
「キルアはゾルディック家に生まれたくて生まれたわけじゃないと、思うんですけど」
「だから何だ？ためらいもなく殺人していた時期があるにはあるんだろ？銀髪の悪魔の息子はきっと、また銀髪の暗殺者をつくり、あいつらは繁殖していく。想像するだけで我慢ならない」
「……安心してください、少なくともキルアの子どもは暗殺者にはなりませんから」
「何でそう言える？」
「彼が……
キルア=ゾルディックだから」
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
